コンプレッサとは、周囲の気体を吸い込んで圧縮空気を生み出し、さまざまな装置に供給する機械装置です。産業用・商業用に使用され、製造業では、空気の供給、機械の動力源、冷却、空調など幅広い用途に用いられています。
コンプレッサには、エアコンプレッサ、スクリュコンプレッサ、ターボコンプレッサなどの種類があり、それぞれの使用環境や目的に応じた選択が必要です。
現代の製造業では、コンプレッサの役割はますます重要になってきています。自動車製造ではエアツールの動力源として用いられる一方で、食品業界では包装工程で空気を供給するために使用されるなど、用途が多岐にわたるからです。他にも、化学工業においては、ガスを圧縮するための装置として重要な役割を果たしています。
コンプレッサは、外部から取り込んだエネルギーを、圧縮する気体に変換させる仕組みです。電気やガスエンジンを使って動作するコンプレッサは、使用するエネルギー源に応じて生じる稼働費用や環境への影響が変化します。そのため、どのエネルギー源を選ぶかもコンプレッサ選びの大事なポイントの1つです。近年では、環境負荷を軽減させる取り組みが進み、エネルギー効率を考慮したコンプレッサも登場しています。
コンプレッサを屋外に設置することには以下のようなメリットがあります。
コンプレッサが稼働すると、多量の熱と振動が発生します。屋内に設置した場合、熱が建物内にこもって室温が高くなるうえに、騒音の発生も避けられません。
その点、屋外に設置すれば、発生する熱や振動を効率よく外部に逃がすことができ、屋内環境を快適に保つことができます。屋内を適温に保つことのメリットは、機械の性能を最大限に発揮させられることだけにとどまりません。作業員の作業効率向上にもつながります。
屋内にコンプレッサを設置するためには広いスペースが必要です。コンプレッサ設置に必要なスペースを、他の重要な機械や作業エリアに転用することが、生産性向上につながる可能性は大いにあります。つまり、コンプレッサを屋外に設置すれば、屋内の有効スペースが増え、新しい機械の導入や作業エリアの拡張も簡単に行うことができるということです。
スペースの有効活用は、作業環境の大幅な改善にもつながるでしょう。スペースが広くなれば、作業の自由度が増し、柔軟なレイアウト変更も可能になります。製造工程の最適化が実現されれば、結果として生産ラインの効率が向上し、コスト削減につながるはずです。
コンプレッサを屋外設置することにはメリットだけでなく、以下のような懸念点もあります。
コンプレッサを屋外に設置する際には、天候や外部環境からの影響を考慮する必要があります。たとえば、防水性や耐紫外線性が不足している場合は、雨や紫外線による劣化が心配です。特に、製造業では24時間稼働のケースも多く、機械の信頼性が直接生産に影響します。そのため、防水性や耐紫外線性に優れたカバーやシェルターで保護することが重要です。
また、屋外設置に際しては、防錆処理や定期的なメンテナンスも欠かせません。具体的な対策としては、防水カバーの使用や、抗UVシートの設置が挙げられます。新しくコンプレッサを導入するなら、屋外での利用実績を確認することも重要です。
コンプレッサは運転中に大きな音を発生するため、設置場所によっては周囲の環境に影響を与えたり、近隣住民に迷惑をかけたりする恐れがあります。特に住宅地や商業施設が近い場合は、騒音問題を事前に十分に考慮する必要があるでしょう。
騒音対策をするうえでは、どのようなコンプレッサを選ぶかがとても重要な問題です。たとえば、低騒音型のコンプレッサを選べば、発生する音を抑えることができます。オイルフリーコンプレッサやスクリューコンプレッサなど、運転音が比較的静かなタイプもあるので、それらの導入を検討してみてもよいでしょう。
防音対策としては、コンプレッサを囲う防音カバーや防音壁を設置する方法があります。これにより、音が周囲に拡散するのを防ぎ、騒音レベルを低減することが可能です。また、設置場所自体を工夫することにも一定の効果があります。壁や建物の陰を利用して、音が広がりにくい場所を選ぶことや、振動が周囲に伝わらないように防振対策を行うことも有効です。
さらに、地域の騒音規制や法律も確認しておくことも忘れてはいけません。規制値を超える場合は、罰則が課せられる可能性があるため、法令に従った適切な対策を講じることが求められます。過去の記事でコンプレッサの騒音問題について原因と対策をご紹介している記事がありますので、参考のためにもぜひご覧ください。
今回は、コンプレッサを屋外設置することのメリットと、屋外設置した場合の懸念点についてご紹介しました。コンプレッサは欠かせない動力源である反面、設置場所に関して考えなければいけないことが多くあります。
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