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適切なメンテナンスや使用をしていても、ホイストクレーンは次第に老朽化がすすみます。目安としては導入してから10年を超えたあたりから、新規設置や更新を視野に入れることをおすすめします。
この記事では、ホイストクレーンの設置・更新時のポイント、定格荷重の選び方などについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。
ホイストクレーンとは、ロープやチェーンの巻き上げ装置として電気ホイストが用いられているクレーンのことです。重量のある荷物を円滑に運搬するために、主に工場や建設現場などで使用されています。
ロープやチェーンを巻き付けたホイールによって荷物の昇降を行う装置であるホイストと、動力によって荷物を吊り上げて水平運搬を行う装置であるクレーンを組み合わせたものがホイストクレーンです。
ホイストクレーンを新たに設置したり、古い機種を更新したりする際に大きなポイントの1つとなるのが「定格荷重」です。
それぞれのホイストクレーンには、安全に使用するための定格荷重・定格総荷重と吊り上げ荷重が定められています。これらの荷重は、クレーンの種類や大きさによって変動します。
ホイストクレーンごとに定められている荷重よりも重いものの運搬や吊り下げに使用すると、チェーンやワイヤーに大きな負荷がかかることになるため、事故のリスクが高まります。そのため、設置・更新の際は吊り下げる荷物の重さを考慮して、適した定格荷重のホイストクレーンを選ばなくてはなりません。
定格荷重とはクレーンの吊り具に実際に吊り下げられる荷物の重さのことです。定格荷重には、フックやリングといった吊り具自体の重さは含まれません。
定格荷重に吊り具の重さを加えたもののことです。定格荷重・定格総荷重は、ジブ(クレーンの竿に当たる部分)の長さや傾斜角などによって変動します。
そのクレーンが吊り上げられる最大の荷重のことで、フックなどの吊具の重さも含まれます。そのため、吊り下げ荷重は吊り具の重さと荷物の重さを含めて判断する必要があります。
例えば、吊り上げ荷重が2.93tのクレーンの場合、吊り下げられる荷物の最大の重さは、2.93tから吊り具の重さを差し引いたものになります。
吊り下げ荷重は、クレーンが最も重い荷物を持てる状態にした際の測定値なので、ジブの長さは最短、傾斜角は最大のときのものになります。
ホイストクレーンの設置にあたっては、クレーン等安全規則によって設置届・設置報告書等の手続きと設置後の点検が義務付けられています。
定格荷重が大きくなればなるほど、クレーンサイズも大きくなります。そして大型のクレーンになるほど点検やメンテナンス費用も高額になる傾向があります。ホイストクレーンには月次点検と年次点検が法律で定められています。
しかし、多忙な業務の中で自社で適切な点検を行うことは簡単ではありません。点検・メンテナンスについては専門知識を持つ企業に外注することもぜひご検討ください。
自社にとって適切なホイストクレーンを選ぶためには、定格荷重はもちろんのこと、年間の稼働日数や1日の最大使用時間、荷物を吊り上げる高さなども考慮する必要があります。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたホイストクレーン以外にも、コンプレッサや油圧ポンプ・油圧機器などのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。