工場の動力源として欠かせないコンプレッサ。さまざまな製造工程に必須のものだからこそ、電気代というランニングコストは無視できません。今回のコラムでは、コンプレッサにかかる電気代と、電気代を抑えるのに役立つメンテナンス方法について紹介します。
コンプレッサは空気を圧縮して、その空気圧を利用する機械です。圧縮された空気は動力源として、金属加工機械や工作機械の駆動、鉄鋼などのプレス加工、電子部品や半導体の製造、遊園地のアトラクションの動力などに用いられています。
コンプレッサの1時間あたりの電気代は、以下の計算式で簡易的に求められます。
モーター出力(kW)×電気代単価(\/kWh)÷モーター効率(%)
例えば、75kWのスクリューコンプレッサでモーター効率が90%、電気代単価15円/kWhの場合では1時間当たり最大1250円程度の電気代が必要となります。
コンプレッサの稼働に必要な消費電力は、工場全体でみると約20~30%を占めるとされています。そしてコンプレッサにかかるランニングコストの70%は電気代だというデータもあるほどです。
コンプレッサにかかる電気代をなるべく抑えるためには、コンプレッサを効率的に稼働させることが重要です。
コンプレッサの効率的な稼働のために、以下のようなメンテナンスを定期的に行うことをおすすめします。適切なメンテナンスは節電だけでなく、長くコンプレッサを使うためにも必要なことです。
コンプレッサで圧縮した空気は、ホースや配管、設備機器の繋ぎ部、ノズルなど、あらゆる部位から漏れる可能性があります。せっかく圧縮した空気が漏れて(エア漏れして)しまえば、無駄が発生し電気代が高くなる原因となります。
電気代の高騰を抑制するには、エア漏れを修理し、効率的な稼働につなげることが大切です。エア漏れは音で確認できるので、工場を稼働させていない時間帯にコンプレッサを動かし、工場を巡回してエア漏れの音がしないかをチェックするとよいでしょう。
フィルターはコンプレッサ内に空気中のゴミが入らないようにする役割があります。フィルターが目詰まりすると、空気の吸引効率が悪くなりコンプレッサに余分な負荷がかかるため、消費電力が大きくなります。また、コンプレッサに過度な負荷がかかり温度上昇すると、オーバーヒートする恐れがあるので、定期的にフィルターを掃除するようにしてください。
夏は、高温多湿に加え、機械から発生する熱の影響もあり、通常よりもコンプレッサに負荷がかかりやすい状態になっています。また吸引する空気の温度が高いよりも、25℃程度のときの方が節電効果があるというデータもあります。工場内の温度を調整し、コンプレッサが吸い込む空気を冷やすことが省エネにもつながります。
節電と長寿命化のために、コンプレッサを定期的にメンテナンスすることをおすすめします。とはいえ、たくさんの業務がある中でメンテナンスの期間を設けて徹底的なチェックを自社だけで行うことは簡単ではありません。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたコンプレッサ以外にも、ホイストクレーンや油圧ポンプ・油圧機器などのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。