油圧ポンプは、大きな力が必要な産業用機械や建設用重機などによく用いられています。そのため、故障してしまったら、作業に大きな影響を与えることになるでしょう。そこで、今回のコラムでは、油圧ポンプが故障する際に現れる予兆と、故障を未然に防ぐために必要な点検・メンテナンスについて紹介します。
油圧ポンプとは、「液体や気体で満たされた密閉容器の一部に力を加えると、その力は全体に等しく伝わる」というパスカルの原理を応用したポンプです。油圧ポンプでは、油を吸入、吐出することで「圧力」と「流量」を生み出します。エンジンの回転などによって生み出された運動エネルギーを、油圧ポンプで流体エネルギーに変換し、増幅するわけです。
油圧ポンプで発生した流体エネルギーは、油圧バルブで圧力、流量、方向が制御され、油圧アクチュエータで直線運動や回転運動など、再び運動エネルギーに変換されます。そのため、油圧ポンプは、大きいエネルギーを必要とする産業用機械や建設機械に欠かせません。
油圧ポンプを正常に作動させるためには、定期的な点検やメンテナンスがとても重要です。点検やメンテナンスを怠るとさまざまな不具合が発生し、工場の稼働がストップしたり、施工日数が増えたりして、納期の遅れにつながる恐れがあるからです。作業の進捗に影響を与えないためにも、予兆の段階で気付くことが大事になります。
油圧ポンプは急に壊れるものではなく、故障前に何らかの予兆が見られる場合がほとんどです。使用されている油圧ポンプに、今回紹介するような故障の予兆が見られたときには、一緒に紹介している点検方法をお試しください。
シリンダーなどの摺動部や配管部からオイル漏れが発生している場合は注意が必要です。摺動部は常に擦れながら稼働するパーツだからです。漏れが発生しているということは、摩耗している可能性が高く、そのまま放置すると故障につながります。また、隙間からオイルに異物混入すると、二次摩耗など二次トラブルの原因にもなりかねません。
油圧ポンプにおいて、オイル漏れを発見した際に最優先すべきことは、オイル漏れが発生している箇所の封鎖です。これは、オイルへの異物混入を防ぐことにもつながります。
オイル漏れを見つけた際に点検すべき箇所は以下の通りです。それぞれ、破損していないか、緩んでいないかをチェックしましょう。
交換できるパーツであれば 交換、修理が必要な場合は修理の依頼をします。
油圧ポンプで油圧が低下する場合、主な原因は、
のいずれかです。
場合によっては、油圧ポンプの吐出不良によって、油圧が低下することもあります。いずれにせよ、油圧ポンプがうまく作動しない状態を放置して、そのまま使用し続けると、モーターが空回りして故障の範囲を広げることになりかねません。
油圧ポンプの使用中に油圧が低下していた場合は、油圧ポンプの稼働を止め、油圧が上がらない原因を探る必要があります。その際、点検が必要なのは以下の項目です。
油圧ポンプは、オイル漏れや油圧低下といった小さな異常に気づかず、放置して使い続けることが故障につながります。そのため、定期的な点検やメンテナンスを行うことが油圧ポンプを長く使用するポイントです。しかし、油圧ポンプの点検箇所は、今回紹介した箇所以外にも多数あります。日常的な点検やメンテナンス以外は、専門官に依頼し、確実に点検・メンテナンスしてもらうことが大事です。
今回は油圧ポンプが故障する際の予兆と必要な点検・メンテナンスについて紹介しました。静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しました油圧ポンプ・油圧機器以外にも、コンプレッサやホイストクレーンなどのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。