油圧機器とは、油圧を利用して動作する機械や装置の総称です。油圧ポンプ、油圧モーター、油圧シリンダーなどをまとめて油圧機器といいます。油圧機器は、空気圧や電動と比べて大きな力を精密に制御できるめ、建設機械や産業機械、自動車のブレーキシステムなど、幅広く用いられています。今や、油圧機器は現代社会になくてはならない動力源と言っても過言ではありません。今回のコラムでは、油圧機器を使用するうえで知っておくべきことについて解説します。
さまざまな産業分野で動力源として用いられている油圧機器ですが、使用するうえで知っておくべきことがあります。油圧機器を安全に長く使うためにも今から紹介する4つのことに注意が重要です。
油圧機器は種類によってオイルの適性温度は異なりますが、多くの機器で稼働中の適性温度は60℃までとされています。高温のオイルを使用し続けていると、オイルの劣化や、シール材の劣化を引き起こすため、オイルの温度管理は重要です。
オイルが高温になるとパッキンなどシール類の劣化が早まるため、オイル漏れのリスクが高まります。また、劣化したオイルは、粘度が低下するため、油圧機器の各パーツで摩耗の原因となることが少なきくありません。オイルクーラー等を用いて油圧機器の温度を適正温度内で使うよう管理することが必要です。
油圧機器は、オイルに異物が混入しないようにフィルターが付いていますが、運転し続けると、必ず数μm程度の汚染粒子が混入してしまいます。混入した粒子を放置すると、ポンプやバルブ、ベアリング等に摩耗を起こし、油圧機器の動作不良や、圧力の不安定化など、致命的な不具合につながりかねません。異物混入を完全に防止することは困難ですが、適切な頻度でフィルター交換したり、ろ過装置を用いてオイルから異物を取り除いたりして、トラブル発生のリスクを軽減することは可能です。
油圧機器は設置場所にも考慮する必要があります。油圧機器は、工場などの屋内で使うことを想定して製作されている場合が多く、屋外に設置する場合は、屋外対応の油圧機器なのか確認が必要です。また、屋内に設置する場合は、風通しが良い場所など、熱が逃げやすい場所に設置することが求められます。壁際に設置する場合は、壁から1mほど離し、熱が籠らないようしなければなりません。
オイルに異物が混入しないように、粉塵などが少ない環境に設置することも大事です。やむを得ず粉塵等が多い場所に設置する場合は、フィルターのこまめな交換や防塵カバーの使用など、しっかりした対策が求められます。
油圧機器には定期的な点検やメンテナンスが必要です。よい状態で長く使い続けるためには、油圧機器本体だけでなく、安全装置やアース、架台・支柱、計測機器なども定期的に点検しなければなりません。異音やオイル漏れなどが発生している場合は、速やかにメンテナンスや修理を依頼しましょう。
今回は、油圧機器を使用するために知っておくべきことについて紹介しました。定期的な点検・メンテナンスを行うことが、油圧機器を安全に長く使用するうえで大切なポイントです。しかし、油圧機器の点検箇所は今回紹介した箇所以外にも多数あります。確実な点検を行うためにも、日常的な点検・メンテナンス以外は専門家に依頼するようにしましょう。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しました油圧ポンプ・油圧機器以外にも、コンプレッサやホイストクレーンなどのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。