空気圧を利用してさまざまな現場で使用されるエアコンプレッサは設定ミスやメンテナンス不足、故障などが理由で適切に圧力が上がらないことがあります。今回のコラムでは、そのような圧力が上がらない、エアー溜まりが上がらない状況の原因と対策について紹介します。
コンプレッサとは、液体や気体を圧縮する装置全般のことです。ただし、基本的には「コンプレッサ」と言えば、空気を圧縮するエアコンプレッサのことを指します。コンプレッサで空気を圧縮し、圧縮した空気を放出する際に生じる大きな力を利用して、金属加工・食品加工・電子部品の製造などが行われています。また、遊園地のアトラクションなどの動力にもなっています。
コンプレッサの圧力が上がらない状態のことを、「エアー溜まりが上がらない」「エアー溜まりが悪い」などと表現することがあります。圧力が上がらない原因には、主に以下の4つがあります。
コンプレッサは空気を吸入して、それを圧縮します。吸気バルブが故障すると、空気が十分に吸い込めなくなるため、圧力が上がりにくくなります。
圧縮した空気がどこかで漏れてしまうと圧力は下がってしまいます。コンプレッサ本体や配管におけるエア漏れは圧力が上がらない原因のひとつです。
逆止弁とは、吸い込んだ空気が逆流することを防ぐ弁のことです。逆止弁が破損し、吸い込んだ空気が逆流するようになると、圧力は上がりません。
コンプレッサの圧力スイッチとは、設定した圧力に達した際に接点信号を出し、コンプレッサを停止させる部品のことです。圧力が一定になればコンプレッサをOFFにし、圧力が下がって再び圧力を高める必要がある場合には、コンプレッサをONにする役割を担っています。
圧力スイッチが劣化し、正常に機能しなくなると圧力が上がっているのに自動停止しないだけでなく、圧力が下がっていても停止したままになることや、狙っている圧力に到達する前にスイッチが作動するなどして、高い圧力を保てなくなります。
コンプレッサのエアーが溜まらず、圧力が上がらない場合には、以下のような対策で解決することがあります。
逆止弁は空気の逆流を防ぐものです。逆止弁には調整ネジがついており、それを緩めたりきつく締めたりすることで、圧力の調整が可能です。圧力が上がらない場合には、逆止弁の調整ネジをレンチなどを使って時計回りに回せば、圧力を上げられるようになります。
圧力スイッチは、あらかじめ設定した圧力に達したタイミングでコンプレッサのON・OFFを行うものです。つまり、圧力スイッチが動作する圧力(設定した圧力)を変更することで、コンプレッサの圧力を調整できるわけです。圧力が上がらない状態のときには、圧力スイッチが動作する圧力を上げれば、狙った圧力でコンプレッサのON・OFFができます。
圧力が上がらない場合、簡単調整だけで回復するとは限りません。例えばエア漏れの場合は、どこで漏れているのかの確認だけでなく、部品の交換が必要になることもあります。コンプレッサが正常に動作していない状態での稼働は非効率になるのでおすすめできません。早急に状態を把握し、圧力を上げるためには専門家に点検を依頼するとよいでしょう。不調時だけでなく、定期的なメンテナンスも併せて依頼すれば、不調の予防も可能になります。
空気を圧縮するコンプレッサが正常に機能しないと、工場の稼働に大きな支障が生じる可能性があります。早めの修理・点検依頼や定期的なメンテナンス依頼を専門家に依頼することを、ぜひ検討してください。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたコンプレッサ以外にも、油圧ポンプ・油圧機器やホイストクレーンなどのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。