油圧ポンプは、産業用機械や建設用の什器、農業機械、フォークリフトなどの大きな力が求められるものに使用されています。
油圧ポンプは、ちょっとした設定ミスなどで異音や大きな音が発生することがあります。今回のコラムでは異音・大きな音が発生したときに確認すべき事項・対応策を紹介します。
修理に出すことなく簡単な処置で解決することも多いので、ぜひ参考にしてください。
油圧ポンプは油圧の力を利用した装置の一種です。油圧とは、油にかける圧力のことをいい、油圧ポンプは、油に圧力をかけ、吸入した油を吐出することでエネルギーを発生させる装置です。エンジンやモーターから発生する運動エネルギーを、流体エネルギーに変換する役割を持ち、油圧ポンプがあることで、エンジンやモーターなどからかけた元々の力よりも大きなエネルギーが生み出せます。
サビにくく、潤滑性があるなどの理由から、大きな圧力がかけやすく、水圧や空気圧を利用したポンプよりも大きな力が生み出せる点に特徴があります。
異音や大きな音が発生する原因はある程度決まっています。焦って修理に出すのではなく、以下の事項を確認してみてください。
吸入側の抵抗が強すぎることで異音や大きな音が発生することがあります。その場合の確認事項は以下の3つです。
・吸引側の配管の太さや長さは適切か
・オイルの粘度は高すぎないか
・フィルターが詰まって抵抗になっていないか
対策としては吸入圧力を-0.03MPa以内に調節する、配管を太くするor短くする、ポンプ回転を遅くする、フィルターを抵抗が少ないものに交換する、吸い込み高さを下げる、油の粘度を下げるなどが挙げられます。
エアレーションとは、吸入時に空気を一緒に吸い込んでしまっている状態のことです。エアレーションが起きると、異音や大きな音の原因となります。エアレーション時の確認事項としては以下の3つが挙げられます。
・配管のゆるみはないか
・タンク内に気泡はないか
・戻り配管の先がオイル内に入っているか
空気が入り込まないように配管やタンクを調整します。また戻り配管の先がオイルに浸っていないとそこから空気が入り込む可能性があるので、注意してください。
異音や大きな音の場合は、簡単な処置が解決することがあります。しかし、異音が発生するということは、油圧ポンプのどこかで不備が起きているということでもあります。不備は油圧ポンプにダメージを与え、寿命を短くしてしまうかもしれません。油圧ポンプを長く使うためには定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。徹底的なメンテナンスを行うのは自社では難しいこともあるでしょう。専門企業に外注して点検やメンテナンスをしてもらうことも、ぜひ検討してください。
今回の記事では油圧ポンプに発生しやすい異音・大きな音をテーマに、原因と解決法を紹介しました。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、油圧ポンプの点検・修理・メンテナンスを承っています。油圧ポンプ以外にも工場の修繕・メンテナンスに関わるお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。