油圧ポンプは、重機や産業機械の動力源として重要な役割を持つもので、製造業や建設業を中心にさまざまな分野で活用されています。
油圧ポンプは、ギアポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプなど種類が豊富で、それぞれ性能や寿命が異なるため、使用環境や用途に応じた選択が重要です。例えば、ギアポンプはコンパクトで構造もシンプルなため、コスト面に優れています。一方、ピストンポンプは高圧環境での性能が高く、精密な制御が可能です。
油圧ポンプを長期間使用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。故障や劣化が進み油圧ポンプが故障するとラインの停止や納期に影響が出るおそれがあるからです。使用を続けながら寿命を延ばすためには、定期的な点検やメンテナンスが必要になります。
油圧ポンプの寿命は一般的に10年から15年程度とされていますが、使用条件やメンテナンスの状況などにより大きく変わります。条件次第で、寿命が極端に短くなることもあれば、長くなることもあるということです。
油圧ポンプの寿命に影響を与える主な要因には以下のようなものがあります。
油圧ポンプの稼働時間が長いほど、摩耗や劣化が進むため寿命が短くなります。
温度や湿度、粉塵の有無などは、ポンプの劣化に大きな影響を与えるものです。例えば、高温や高湿度の環境ではオイルが劣化しやすくなります。
使用する油の種類や品質も、寿命に影響を与える要素の1つです。質の悪いオイルを使用し続けると、ポンプ内部が腐食したり摩耗したりします。
急激な負荷変動や過負荷運転、特に誤った操作は、油圧ポンプに大きなストレスを与える行為です。油圧ポンプの寿命を大きく縮めることになるでしょう。
これらの要因を考慮し、適切な運用とメンテナンスを行うことで、油圧ポンプの寿命を延ばすことが可能になります。
油圧ポンプの寿命を伸ばすためには、以下のポイントに注意することが重要です。
油圧ポンプは、定期的なメンテナンスを行うことで、その性能を維持することができ、結果として寿命を延ばすことにつながります。ここでいうメンテナンスとは、オイルの交換やフィルターの清掃・交換、部品の点検・調整などを含むものです。
オイルは使用によって劣化するため、定期的な交換が欠かせません。劣化したオイルを使用し続けるとポンプ内部の摩耗が進み、故障する可能性が高まります。
フィルターが汚れていると、オイルがうまく流れません。オイルの流れが滞ると、ポンプにかかる負担が大きくなるため、定期的に清掃する必要があります。また、必要に応じて交換することも大切です。
さらに、日常的な点検を行うことで、小さな不具合を早期に発見し、未然に問題を防ぐことができます。日常的にチェックすべき項目は以下の通りです。
オイル漏れが発生している場合、部品の摩耗が懸念されます。放置せずにどこからオイルが漏れているか特定することが大事です。隙間からオイルに異物が混入すると二次摩耗につながるおそれもあります。
油圧ポンプの使用中に油圧が大きく低下する場合は、モーター部の故障やオイル漏れの可能性があります。放置するとモーターが空回りし、症状が悪化しかねません。早期発見が重要です。
稼働中に異音がする場合、ポンプ内で異常が発生している可能性が高いといえます。異音がしたときは、直ちに点検が必要です。
なお、油圧ポンプの故障を防ぐために必要な点検については、過去の記事でも紹介しておりますので、そちらも併せてご覧ください。
オイル漏れや油圧の低下といった小さな異常を見逃しそのまま使用を続けることが、油圧ポンプの故障につながります。故障を防ぐためには、定期的な点検やメンテナンスが重要です。
また、油圧ポンプの点検ポイントは今回取り上げた箇所だけではなく多岐にわたります。日常の点検やメンテナンスに加えて、専門の技術者に依頼して、確実に点検・メンテナンスを行うことが、ポンプを長く使うために重要です。富士市及び富士宮市の方は、ぜひ静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社にご相談ください。