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夏のオーバーヒートを防止!コンプレッサの熱対策!

夏のオーバーヒートを防止!コンプレッサの熱対策!
投稿日:2025年6月2日

夏場になるとコンプレッサのオーバーヒートによる停止トラブルが頻発し、業務に支障をきたすことも少なくありません。なぜ夏場はコンプレッサが故障しやすいのでしょうか?そして、大切なコンプレッサを夏の暑さから守り、安定稼働を維持するためには、どのような対策を講じるべきなのでしょうか?当記事では、夏場のコンプレッサが抱えるリスクと、効果的な熱対策について詳しく解説します。

夏場はコンプレッサが故障しやすい…その理由とは?

冬に比べて夏場にコンプレッサのトラブルが多いのには、明確な理由があります。それは、高温多湿という日本の夏の気候と、コンプレッサの構造的な特性が深く関係しているからです。

高い湿度による負荷の増大

コンプレッサは、大気中の空気を取り込んで圧縮空気を作り出します。夏場は空気中の水分(湿度)が高いため、同じ量の圧縮空気を作るためには、より多くの空気を取り込まなければなりません。場合によっては、取り込む空気の量が冬場の2倍にも及びます。当然、コンプレッサへの負荷も増大します。

外気温の上昇

夏場の高い外気温は、コンプレッサ本体の温度上昇に直接影響を与えるものです。一般的に、コンプレッサが停止しやすくなる温度は約40℃と言われています。熱や湿気がこもりやすい工場内などでは、この温度を容易に超えてしまうため、オーバーヒートのリスクが高まるわけです。

コンプレッサ自身の発熱

コンプレッサは稼働中、消費電力の90%以上を熱として放出します。夏場の高温環境下では、この発熱が周囲の温度上昇を加速させるため、オーバーヒートが起こりやすくなります。

これらの要因が複合的に作用することで、夏場のコンプレッサは過酷な状況に置かれ、故障のリスクが高まるのです。

コンプレッサの熱対策:今すぐできること

大切なコンプレッサを夏の熱トラブルから守り、安定した稼働を維持するためには、日頃の管理が非常に重要です。ここでは、いますぐに実践できる効果的な熱対策をご紹介します。

換気を徹底する

コンプレッサは稼働中、大量の熱を放出します。そのため、設置場所の換気を徹底し、熱気や湿気がこもらないようにすることが最も基本的な対策です。

  • 換気扇や送風機の活用: コンプレッサ室や設置場所の換気を積極的に行い、新鮮な空気を取り込み、熱気を排出しましょう。
  • 窓や扉の開放: 可能な範囲で窓や扉を開放し、自然換気を促します。ただし、雨水や粉塵の侵入には注意が必要です。
  • 吸気口と排気口の確保: コンプレッサの吸気口が熱気を吸い込まないように、また排気口から排出される熱気が周囲に滞留しないように、適切な配置を心がけましょう。

屋外管理なら雨対策をしっかりと

屋外にコンプレッサを設置する場合は、雨水対策が欠かせません。梅雨時期や台風シーズンには、必ずカバーをかけ、内部への雨水の侵入を防ぎましょう。

  • 専用の防水カバーの使用: 耐候性のある専用カバーを使用し、コンプレッサ全体をしっかりと覆いましょう。
  • 簡易的な屋根の設置: 可能な場合は、簡易的な屋根を設置し、直接雨がかからないようにしましょう。
  • 排水性の確保: コンプレッサの設置場所の排水性を確保し、水たまりができないようにしましょう。

ただし、屋外で使用するために設計されたコンプレッサであれば、ある程度の雨水対策が施されている場合もあります。お使いのコンプレッサの仕様を確認しましょう。

設置場所を見直す

コンプレッサの設置場所は、その性能や寿命に大きく影響します。できる限り、湿気やほこりが少ない、風通しの良い場所を選びましょう。

  • 工場内のレイアウト: 鉄粉や研磨粉などの粉塵が発生しやすい場所は避け、比較的クリーンな場所に設置しましょう。
  • 壁や障害物からの距離: コンプレッサ周囲に十分なスペースを確保し、空気の循環を妨げないようにしましょう。
  • 直射日光を避ける: 屋外に設置する場合は、直射日光が当たらない場所を選び、日陰を作るなどの工夫が必要です。

温度管理を徹底する

コンプレッサが正常に動作する温度範囲は、一般的に2°C〜40℃と言われています。この範囲を超える環境下での使用は、故障の原因となるだけでなく、機械の寿命を縮める可能性もあります。

  • 温度計の設置: コンプレッサの設置場所に温度計を設置し、常に温度を監視します。
  • 冷却装置の導入: 必要に応じて、コンプレッサ専用の冷却装置やスポットクーラーなどを導入し、周囲温度の上昇を抑制します。
  • 運転時間の調整: 連続運転を避け、適度な休憩時間を設けることで、本体の温度上昇を抑えましょう。

定期的な点検・メンテナンスは不可欠

日頃の管理に加えて、定期的な点検・メンテナンスは、コンプレッサのトラブルを未然に防ぐための重要な対策です。

  • 日常点検: 運転前や運転中に、オイル量、フィルターの汚れ、ドレンの状態などの確認が必要です。特に、ドレンは作業終了後に必ず排出しましょう。
  • フィルターの清掃・交換: エアーフィルターが目詰まりすると、吸気効率が低下し、コンプレッサに大きい負荷がかかります。定期的に清掃し、汚れがひどい場合は交換しましょう。
  • オイル管理: オイルの量や汚れを定期的にチェックし、必要に応じて補充や交換を行います。適切なオイルを使用することも重要です。
  • 専門業者による定期点検: 日常点検ではカバーしきれない部分や、専門的な知識が必要な点検は、定期的に専門業者に依頼することをおすすめします。

コンプレッサの点検・修理・メンテナンスなら、静岡スマートファクトリー.comにお任せください

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