夏場になるとコンプレッサのオーバーヒートによる停止トラブルが頻発し、業務に支障をきたすことも少なくありません。なぜ夏場はコンプレッサが故障しやすいのでしょうか?そして、大切なコンプレッサを夏の暑さから守り、安定稼働を維持するためには、どのような対策を講じるべきなのでしょうか?当記事では、夏場のコンプレッサが抱えるリスクと、効果的な熱対策について詳しく解説します。
冬に比べて夏場にコンプレッサのトラブルが多いのには、明確な理由があります。それは、高温多湿という日本の夏の気候と、コンプレッサの構造的な特性が深く関係しているからです。
コンプレッサは、大気中の空気を取り込んで圧縮空気を作り出します。夏場は空気中の水分(湿度)が高いため、同じ量の圧縮空気を作るためには、より多くの空気を取り込まなければなりません。場合によっては、取り込む空気の量が冬場の2倍にも及びます。当然、コンプレッサへの負荷も増大します。
夏場の高い外気温は、コンプレッサ本体の温度上昇に直接影響を与えるものです。一般的に、コンプレッサが停止しやすくなる温度は約40℃と言われています。熱や湿気がこもりやすい工場内などでは、この温度を容易に超えてしまうため、オーバーヒートのリスクが高まるわけです。
コンプレッサは稼働中、消費電力の90%以上を熱として放出します。夏場の高温環境下では、この発熱が周囲の温度上昇を加速させるため、オーバーヒートが起こりやすくなります。
これらの要因が複合的に作用することで、夏場のコンプレッサは過酷な状況に置かれ、故障のリスクが高まるのです。
大切なコンプレッサを夏の熱トラブルから守り、安定した稼働を維持するためには、日頃の管理が非常に重要です。ここでは、いますぐに実践できる効果的な熱対策をご紹介します。
コンプレッサは稼働中、大量の熱を放出します。そのため、設置場所の換気を徹底し、熱気や湿気がこもらないようにすることが最も基本的な対策です。
屋外にコンプレッサを設置する場合は、雨水対策が欠かせません。梅雨時期や台風シーズンには、必ずカバーをかけ、内部への雨水の侵入を防ぎましょう。
ただし、屋外で使用するために設計されたコンプレッサであれば、ある程度の雨水対策が施されている場合もあります。お使いのコンプレッサの仕様を確認しましょう。
コンプレッサの設置場所は、その性能や寿命に大きく影響します。できる限り、湿気やほこりが少ない、風通しの良い場所を選びましょう。
コンプレッサが正常に動作する温度範囲は、一般的に2°C〜40℃と言われています。この範囲を超える環境下での使用は、故障の原因となるだけでなく、機械の寿命を縮める可能性もあります。
日頃の管理に加えて、定期的な点検・メンテナンスは、コンプレッサのトラブルを未然に防ぐための重要な対策です。
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