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これから協働ロボットの導入を検討する方のために、必要な知識をひとまとめにしました!この記事を見れば導入前に押さえておきたい知識がまるわかりです。ぜひご覧ください。
製造業分野のニュートレンドである協働ロボットですが、具体的にどのようなものを指すかご存知ですか?「まだハッキリとは…」そんな方のためにまずは、協働ロボットの特徴をわかりやすくご紹介します。
協働ロボットは、その名の通り人と協力して働けるロボットのことで、具体的には人とロボットの間に柵を設けずとも使用できる産業用ロボットのことを指します。
これまでの産業用ロボットは、ハイパワーである反面、人を怪我させる恐れがあり、同じ空間で作業を行うためには人とロボットとの間に柵を設ける必要がありました。
しかし、協働ロボットは、そんな従来の産業用ロボットの課題だった「安全性」をクリアすることで、人との間に柵を設け無くても使えるよう設計されています。
そのため、従来の産業用ロボットでは難しかった、より人に近いような動作が求められる作業が得意という特長があります。
従来の産業用ロボット | 協働ロボット | |
位置付け | 人の代わりに作業をする | 人の仕事を手助けする |
使用方法 | 大型ラインが中心で柵の設置が必要 | 作画不要で設置場所を問わない |
サイズ | 大型で重量 | 小型で軽量 |
対応できる作業 | 大型ラインがメインで単純作業が中心 | 繊細な作業が可能で、幅広い作業に柔軟に対応できる |
ご覧の通り、従来の産業用ロボットが人とは違う作業を請け負うのに対し、協働ロボットは人が行っている作業を手伝うという点で大きな違いがあります。
人と一緒に働くことができる協働ロボットですが、具体的にはどのように稼働してくれるのでしょうか?イメージが浮かぶよう一つの動画をご紹介いたします。
ちなみに、人と一緒に働いても十分に安全を確保できるよう、法律では以下のようなロボットが協働ロボットであると定義づけられています。
参考:厚生労働省の「平成25年12月24日付基発1224第2号通達」
人の作業を代行するという特徴がある協働ロボットですが、実は想像以上のスピードで普及すると言われているのをご存知でしょうか?
株式会社矢野経済研究所の調査によると、2020年〜2030年までの期間で協働ロボット市場は、3倍近くまで膨れががることが予想されています。
協働ロボットの導入が加速する背景の一つに、協働ロボットが人手不足解消の切り札として注目されていることが挙げられます。
経済産業省の2017年12月の調査によると、製造業の94%以上の企業で人手不足が顕在化していると回答※。加えて、少子化による労働人口の減少も急速に進んでいることからも、今後ますます人手不足は深刻化すると言われています。
そんな労働市場の変化に対応しながらも生産体制を維持するには、工場の自動化が必要不可欠です。
しかし、全てを自動化するには莫大なコストがかかります。そのため、既存の製造ラインにも比較的組み込みやすい協働ロボットへのニーズが高まっています。
※経済産業省「製造業における人手不足の現状および外国人材の活用について」より
導入が加速している2つ目の背景は、新しいアプリケーションの誕生により、導入における技術的なハードルが下がったことが挙げられます。
これまでロボット化が進まなかった理由の一つに、ロボットに動作を覚えさせるプログラミングの負担が大きいというものがありました。
しかし、近年、この課題を解決する画期的なアプリケーションが続々と誕生しており、わずか1時間ほどで動作を覚えさせることも可能になってきています。
協働ロボットの導入費用のハードルは下がっており、協働ロボット本体の相場は100~500万円ほどになっています。
これは、一般的な産業用ロボットと比べ、プログラミングが容易なことや、立上げまでの時間が短縮されたことなどが影響しており、今後市場が拡大するに従ってさらに安価になることが予想されます。
ただし、協働ロボットを導入する際には、本体以外にも周辺機器や関連機器の費用、場合によってはシステムインテグレーターへのセットアップ費用なども発生することを考慮する必要があります。
導入が加速している背景の4つ目に、ロボット導入を促す金銭的な支援の拡大があります。
代表的なものに、以下のような制度があります。
例えば、ものづくり補助金などは最大3,000万円もの支援を受けられので、活用しがいのある補助金の一つになっています。
以下で、ものづくり補助金の活用に必要な知識が詰まった資料もご紹介しておりますので、よろしければご活用ください。
中小企業を対象に設備導入費の通常は1/2の補助金が支給されるものづくり補助金についてまるっとわかる解説レポート
導入が加速している協働ロボットですが、実際に導入するとどんなメリットがあるのか。主に以下の3つのメリットがあります。
従来、人が行っていた作業を協働ロボットが担ってくれるため、人件費を抑えることが可能です。
また、ロボットは人が寝ている間でも稼働できるため、生産性の向上にも貢献します。
協働ロボットは、同じ動きを何度でも正確に再現してくれるので、職人ごとの品質のバラツキなどを抑えてくれます。
また、人のように長時間同じ作業を繰り返していても、集中力が切れたりすることもないので、ヒューマンエラーのミスも減らすことが可能です。
体力や集中力の限度がほぼない協働ロボットは、人よりもはるかに多くの生産量を実現します。
そのうえ、協働ロボットを導入することで、それまで作業に当たっていた人員に他の作業を任せることができるようになるので、生産効率の大幅な向上につなげられます。
メリットがある一方、協働ロボットにはデメリットがあります。導入の際に「知らなかった」とならないよう代表的な2つのデメリットをご紹介します。
協働ロボットの本体価格は、およそ100万〜500万円ほど従来の産業用ロボットと比較すると決して高くはありませんが、とても安いというわけでもありません。
導入にはそれなりのまとまった資金が必要となります。
それでも、今後、増産によりますます価格が下がることが見込まれているうえ、補助金など導入支援制度も充実してきているので、費用面の負担はどんどん軽くなっていくと思われます。
協働ロボットは、導入してからも定期的な調整や細かなメンテナンスが必要になります。
そのため、ロボットについての専門知識を備えている人間を社内に1人置いておくことは、生産体制を維持するためにも重要です。
また、そういった人材にすぐ声をかけられるようにしておくことで、誤作動やトラブルが発生した際にも迅速に対応することが可能になります。
上でお伝えしたように協働ロボットには、メリットもデメリットもあります。そのため、導入する際には、協働ロボットが自社の課題を解決する適切なソリューションになり得るか?という視点で選ぶことが大切です。
では、協働ロボットは一体どんな作業が得意で向いているのか?具体的にはいかような作業が挙げられます。
部品の組立や梱包、検品、仕分けなど単純作業の繰り返しが得意であるという協働ロボットは、大量生産が必要な業種で特に向いていると言われています。
協働ロボットには、得意な作業や業種があることをお伝えしましたが、では実際導入によってどれくらい効果があるのでしょうか?
ここでは、経済産業省の「ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018」に掲載されている事例をもとにその効果をご紹介します。
医療用分包機の製造を手掛けるタカゾノでは、ピッキングと積み分けを協働ロボットに割り振ることで新たな生産システム構築。作業者を6名から4名に削減し、労働生産性1.5倍UPを達成しました。また、1日当たりの生産量も6000個→6200個にUP。より効率的に生産ができるようになりました。
冷凍食品の製造を行なうタカギベーカリーでは、ラベルの貼り付けと箱を積むという工程に協働ロボットを導入。作業者を5名から半分以下の2名に削減することに成功し、労働生産性を2.5倍にすることに成功しています。
さらに、ラベルの貼付ミスの削減にも成功し、取引先からのクレームを減らすことにも成功しています。
ここまで協働ロボットを導入する際に必要な知識をご紹介してきましたが、より安心してより良い条件で導入する際は専門家への相談をおすすします。
数多くのロボットから、コスト面や機能面で貴社にぴったりの機種を選び、提案してくれるはずです。
また、導入の際に必要な手続きやロボットのセットアップ、環境構築なども手伝ってくれます。
私たち富士酸素工業も、協働ロボットの導入支援を行なっておりますので、どうぞお気軽にお声がけください。