
ものづくりの現場を支えるコンプレッサは、生み出す空気の圧力によって「常圧」「中圧」「高圧」の3種類に分けられます。今回は、最も高い圧力帯を担う高圧コンプレッサに焦点を当て、その基本的な仕組みから、常圧・中圧タイプとの違い、さらには安定した稼働に不可欠なメンテナンスの重要性までを簡潔に解説します。
コンプレッサは、空気やガスを圧縮して高圧のエネルギーに変換する装置です。この圧縮空気は工場の生産ラインで工具や機械を動かす動力源として、幅広い用途で利用されており、多くの産業分野で欠かせない重要な役割を担っています。
コンプレッサは、生成する圧力の高さによって主に「常圧」「中圧」「高圧」の3種類に分けられ、それぞれに最適な用途があります。
高圧コンプレッサは、一般的に2.0MPa以上の圧力帯を担うコンプレッサです。レーザー加工機のアシストガス、製品の耐圧試験、ガスボンベへの充填など、非常に高い圧力が求められる分野で使用されます。高性能な分、設備は大型になり、導入コストや消費電力が高くなりがちです。
常圧コンプレッサは、1.0MPa未満の圧力帯を担います。エア工具の動力、製品の清掃、塗装といった作業に適しており、産業用途はもちろん、個人用途で使用されることも少なくありません。導入しやすく安全性も高い点が特徴です。
中圧コンプレッサは1.0MPa以上2.0MPa未満の圧力帯を担います。常圧ではパワーが足りないものの、高圧ほどの圧力は必要ないという場面は意外と多く、幅広い用途で使われるコンプレッサです。精密機械の駆動など、常圧と高圧の中間的なニーズに応えます。
コンプレッサは常に高い負荷がかかるため、定期的なメンテナンスが性能維持の鍵となります。特に、内部に極めて高い圧力がかかる高圧コンプレッサでは、オイル交換、フィルター清掃、部品点検といったメンテナンスが不可欠です。
メンテナンスを怠ると、部品の摩耗や汚れが原因で性能が低下するだけでなく、重大な故障や事故につながる危険性もあります。計画的なメンテナンスは、故障リスクを減らして安定稼働を実現し、圧縮空気の品質、さらには製品全体の品質を守ることにつながる重要な投資なのです。
この記事では、高圧コンプレッサを中心に、圧力帯による用途の違いやメンテナンスの重要性について解説しました。
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