工場や倉庫などでの重い荷物の上げ下げや運搬に欠かせない天井クレーン。作業を安全に行うために、天井クレーンには安全装置が設けられています。
今回のコラムでは天井クレーンの安全装置をテーマに、種類や役割、定期点検について紹介します。
天井クレーンは重量のあるものを吊り下げ、吊下ろし、運搬を工場内で行います。重いものが落下する、重さに耐えられずクレーンごと倒れてしまう、また、クレーンの運転ミスや不適切な運転を防止するために、天井クレーンには安全装置を備えることが、「クレーン構造規格 第3節(第24条~33条)」にて義務付けられています。
天井クレーンの安全装置には、主なものとして「過巻防止装置」「過負荷防止装置」「横行・走行リミットスイッチ」「非常停止装置」の4つが挙げられます。
天井クレーンは、フックに荷物をかけ、ワイヤーロープを巻き上げることで荷物を吊り上げます。この際、ワイヤーロープの巻き上げ過ぎ、荷物の吊り上げ過ぎを予防する装置が過巻防止装置です。
過巻防止装置は、フックが巻き上げによって上限位置を越えると自動的に巻き上げを停止させるものです。過巻防止装置で巻き上げ過ぎを防ぐことで、ワイヤーロープの切断やクレーンの転倒などを防止できます。
過負荷防止装置は、クレーンごとに定められている定格荷重(フックやワイヤーロープなどの吊り具の重さを除いた実際に吊り上げられる荷物の最大重量)を超える荷物を吊り上げようとすると、警報を発して作業員に知らせたり、吊り上げを停止させたりする装置です。
クレーンの破損や荷物の落下などを防ぐために必要な安全装置です。
天井クレーンは、クレーン本体の走行とホイストの横行により、荷物を目的の場所へ運搬します。横行・走行リミットスイッチは、ホイストがレールの端に衝突するのを防ぐ装置で、クレーンやホイストの位置を検出し、レールの端に近づくと減速または停止させるものです。
運転中に異常が発生した場合、作業員の判断で強制的にクレーンを緊急停止させるための装置が非常停止装置です。上記の3つの安全装置は自動的にクレーンを停止させるものであるのに対し、非常停止装置は作業員が手動で作動させるものである点が特徴です。
天井クレーンの安全装置は、工場での事故を防ぎ、作業員の命を守るために欠かせない重要なものです。
天井クレーンは、日常点検・月次点検・年次点検、そして毎秒30m以上の暴風(屋外設置の場合)や震度4以上の地震発生時の点検が義務付けられています。点検項目にはもちろん安全装置の点検も含まれています。
月に一度、年に一度の定期メンテナンスで実施した検査結果の記録は3年間保管する必要があります。
法令で定められた自主点検を怠った場合は50万円以下の罰金を課せられることがあります。定期メンテナンスは必ず実施するようにしてください。
導入から長い期間が経っているものについては年次点検の内容を半年に1度の頻度で実施するなど、メンテナンスを実施する頻度を高めることで、更なる長寿命化が期待できます。
天井クレーンを日々稼働させている中で、通常業務の合間を縫って徹底的な点検を行うことは簡単ではありません。法令に基づいた点検を確実に行うためにも、外部の専門業者に点検を依頼することも検討してみてください。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場のさまざまな問題についてご相談を承っています。
今回ご紹介しました天井クレーンの安全装置以外にも、工場関連機器のお悩みもお伺いいたします。
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