溶接ヒュームの法改正により、マスクのフィットテストが義務化されましたが、その内容にについてご存知でしょうか?
難しくてよくわからない…。要点だけ手っ取り早く知りたい。そんな方のために、目的や方法など5行にまとめましたので、どうぞご覧ください。
なお、ページ下部ではより詳細な説明もしておりますので、詳しく知りたい方は併せてそちらもご覧ください。
フィットテストってわかりやすくいうと?まずは、その全容がわかるよう要点だけ抜粋してご紹介します。
・フィットテストとは、呼吸用保護具が適切に装着されているかを確認すること
・テスト内容は2種類。定量分析と定性分析どちらも行う必要がある
・テストは1年に1回実施しなければならない
・テストを実施する際は、有識者が行うべきとされている
・テスト結果は3年間保存すること
以上が、溶接ヒューム用マスクのフィットテストの要点となります。
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ここからは、溶接ヒューム用マスクのフィットテストについてより詳しく知りたいという方のために、フィットテストの目的や求田的なやり方などを深掘りして解説します。
溶接ヒュームの濃度測定結果に応じて適切な防護マスクを選んだとしても、装着の仕方によって十分な力が発揮できない場合があります。また、故障や劣化により、知らぬ間に保護力が落ちてしまうことも…。そのため、防護マスクがきちんと機能しているかどうかを定期的にフィットテストで診断し、作業員の健康を守ることが必要となります。
フィットテストには、定性分析と定量分析の2種類の方法があります。
定性的フィットテストとは、人の味覚を使ってマスクの抜け漏れがないかを確認する方法です。被験者はフィットテスト用のフードを被り、その中に甘味成分、または苦味成分の溶液を噴射し、味がするどうかを確認します。
このテストは、要求フィットファクタという値が100の「半面形面体を有するマスク」に対して行うことができます。
定量的フィットテストとは、専用の機器を使い、マスクも外側と内側の粒子の割合を測定し漏れ率を確認する方法です。被験者は、テスター(測定器)をつけた防護マスクを装着し、粒子発生機器などの前で呼吸を行ないます。それをテスターが測定し、抜け漏れ率を割り出します。
ちなみに、このテストは、要求フィットファクタ100の半面形面体を有するマスク、500の全面形面体を有するマスクの両方に対して行うことができます。
なお、定性・定量の両試験ともにマスクをつけて呼吸するだけではなく、深呼吸や頭を上下左右に動かしたり、発声するなど、定められた動作を行ないテストする必要がります。
フィットテストの実施者は、十分な知識及び経験を有していれば、事業者自身が行っても、外部の委託業者が行ってもどちらでも良いとされています。ただし、事業者自身で行う場合は、厚生労働省が出している教育実施要領に基づくカリキュラムを修了していることが望ましく、5時間ほどの研修を受ける必要があります。なお、研修には受講料もかかるので、自社で実施者を育てるか、外部に委託するかは、時間とコストのバランスを見ながら行うと良いでしょう。
厚生労働省により、フィットテストは年に1回行うことが義務付けられております。
加えて、下記のようなタイミングで行なう効果的です。
この他にも必要そうだと思ったら、適宜テストを行ってみてください。
なお、フィットテストのデータは3年間保存する必要がありますので、くれぐれもテスト結果を破棄・紛失しないようお気をつけくださいい。
フィットテストの実施は、JISの改正遅れにより、他の改正特化則の事項よりも開始時期が遅く、令和5年(2023年)4月1日施行となっています。
とはいえ、他の措置の対応なども行っているうちにあっという間に期限は迫ってきます。
直前に慌てることがないよう、対策はどうぞお早めに。フィットテストに関して、我々富士酸素工業も幅広くお手伝いできますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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