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金属などの加工方法の一つであるショットブラストですが、どんな加工方法で、どのようなどのような効果があり、またどんな素材に使えるかご存知ですか? 「まだわからない」「もっと深く知りたい 」そんな方のために、多数の企業のショットブラストマシン導入をサポートしてきた製造機器の専門家「富士酸素」が徹底解説いたします。
ショットブラストマシンを導入する際に必要な知識をまるっと人記事に!貴社にぴったりなマシンの導入のためにお役立てください。
ショットブラストは、金属などの加工物(加工する物)の表面に細かい砂や鋼製・鋳鉄製の小球を吹き付け、表面を粗く削る加工方法です。鋼などの粒(ショット)を圧縮した空気で吹きかける(ブラスト)ことからこの名がつきました。
金属などの表面を粗く加工するショットブラストですが、そもそも何のために表面を粗くする必要があるのでしょうか? ショットブラストの加工物の中でも特にポピュラーな「鉄」を例にご説明します。
鉄を長持ちさせるためには、サビの進行を防ぐ塗装が必要です。ショットブラストは、そんな塗装の密着性を向上させる効果があります。そのため塗装が剥がれにくくなり、防サビ加工が長持ち。鋼材を長持ちさせることができます。
①加工前の鋼材には、サビの原因となる酸化物が付着している
ショットブラストを行なう前の鋼材には、「ミルスケール」と呼ばれる鉄の酸化物が付着しています。この酸化物を除去しないと、鋼材とミルスケールの境にサビが進行してしまいます。
②ショットブラストを行なうことで、酸化物を除去される
小さな無数の鋼球(研掃材・ショット玉)をショットブラストマシンで金属表面に投射することで、ミルスケール(鉄の酸化物)が除去されます。
③投射を継続。鉄の表面に凹凸ができる
ミルスケール(鉄の酸化物)やその他の異物が除去され、鉄の表面に小さな凹凸ができます。
④塗装の密着性が向上。サビが進行しにくくなる
鉄の表面に凹凸があるおかげで、塗装剤が入り込みやすくなります。そのため、塗装の密着性が向上。さらに、ミルスケール(鉄の酸化物)などが除去されているので、内側からサビが進行しにくくなります。
また、塗装の塗り直しも可能。塗装が剥がれてきたら再度ショットブラストを行ない、塗装し直すことで、加工物をさらに長持ちさせられます。
ミルスケール(鉄の酸化物)を除去せず塗装すると、時間の経過とともに鉄とミルスケールの境界で赤サビが進行。塗装が剥がれやすくなってしまいます。
主に、サビの進行を防ぎ加工物長持ちさせるために利用されるショットブラストですが、実はうれしい効果が他にも!ここでは主な3つの効果をご紹介します。
金属の表面についたサビや汚れ、塗料などを落とし、加工物の表面を美しく整える
加工物の表面に凹凸をつくり、摩擦力をアップ。ドアノブなどのグリップ力を高める
鋼などの粒を吹き付けることで、刀鍛冶が刀を叩いて強くするように、金属の加工物の強度を高める
一般的にショットブラストで加工する物を加工物(ワーク)と呼び、吹き付けるものを投射材と呼びます。呼び名が違うように、加工物として使える素材と投射材として使える素材にも違いがあります。では、それぞれどんな素材を使うことができるのか?まずは、加工物(ワーク)からご紹介します。
ショットブラストでは、以下のような素材を加工物(ワーク)として扱うことができます。
・金属 ・セラミック ・ガラス ・プラスチック ・ゴム |
加工物(ワーク)に吹き付ける、投射材には下記のような素材を扱うことが可能です。
・鋼製・鋳鉄製の小球(ショット) ・細かい砂 ・ステンレス ・スチール ・アルミニウム ・ガラスビーズ ・プラスチック ・ナイロン ・くるみの殻 |
※投射材は、研削材、研磨材、メディア、ビーズ、ショット、玉、砂というような呼ばれ方をすることもあります。
ここまでの説明で、ショットブラストがどんなもので、どのような目的に使われ、どのような効果を発揮するか、またどんな素材に使えるか、ご理解いただけたましたでしょうか?振り返りのためにこの記事の要点をまとめておきます。
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