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コンプレッサの絶縁不良とは?修理・メンテナンスで対策

コンプレッサの絶縁不良とは?修理・メンテナンスで対策
投稿日:2025年9月11日

コンプレッサを安定稼働させることは、工場運営において重要な課題です。万が一、コンプレッサの内部で「絶縁不良」が発生すると、深刻なトラブルに発展しかねません。そこで、本記事では、コンプレッサの絶縁不良について、主な原因と具体的な対策をご紹介します。

コンプレッサとは?

コンプレッサとは、液体や気体を圧縮して圧力を高める装置の総称で、圧縮する対象や方法によって多種多様なタイプがあります。一般的には、空気を圧縮するエアコンプレッサが「コンプレッサ」と呼ばれることが多いようです。空気を圧縮した際に発生する大きな力が、金属加工、食品加工、電子部品の製造など、幅広い分野で活用されています。

コンプレッサの絶縁不良とは?

コンプレッサの絶縁不良とは、コンプレッサ内部の電気部品や配線を覆っている絶縁体が劣化したり損傷したりして、本来電気が流れてはいけない部分に電流が漏れてしまう状態をいいます。絶縁不良が発生すると、コンプレッサが故障するだけでなく、感電や火災といった重大な事故にもつながりかねません。早期発見と適切かつ速やかな対処が求められる状態です。

コンプレッサの絶縁不良が起こる主な原因

コンプレッサの絶縁不良は、さまざまな要因によって引き起こされます。

原因①:経年劣化

長期間の使用により、絶縁材が自然劣化し、絶縁性能が低下します。

原因②:過酷な環境

高温多湿な場所や、油分・粉塵が多い環境では、絶縁材の劣化が早まります。特にコンプレッサオイルの劣化や汚染は、絶縁不良の大きな原因となり得るため注意が必要です。

原因③:過負荷運転・異常高温

長時間の連続運転や過負荷運転、冷却不足などによりコンプレッサ内部が高温になると、絶縁材が熱で損傷しやすくなります。

原因④:電気的ストレス

電圧の異常な変動やサージ電流(電気回路で瞬間的に流れる過大な電流)が絶縁材にダメージを与え、絶縁破壊を引き起こすことがあります。

原因⑤:機械的な損傷

振動や衝撃によって配線が擦れたり部品が接触したりして、絶縁被覆が破損することがあります。

原因⑥:水分や異物の侵入

内部に、水分や金属粉などの導電性の高い異物が侵入すると、絶縁性能が著しく低下します。

コンプレッサの絶縁不良の対策

対策①:設置環境の整備と管理

コンプレッサの絶縁性能は、設置環境によって大きな影響を受けます。高温多湿の場所、粉塵が多い場所、腐食性ガスが発生する場所は避け、風通しの良い場所に設置することが大切です。状況によっては、換気装置や除湿器の設置も検討しましょう。

対策②:振動対策

過度な振動は配線の擦れや接続部の緩みを引き起こし、絶縁不良の原因となりかねません。防振ゴムの設置や、定期的な固定ボルトの増し締めを行いましょう。

対策③:コンプレッサオイルの管理

オイルの色や、混入物(水分・金属粉など)の有無を確認します。劣化したオイルは絶縁性能を低下させる可能性があるため、劣化が進んでいる場合は早めの交換が必要です。

対策④:過負荷運転の回避

メーカーが指定する範囲を超えた圧力や吐出空気量での運転は、コンプレッサ内部の温度上昇を招き、絶縁材の劣化を促進します。定格内での運転を心がけましょう。

対策⑤:定期的な点検とメンテナンス

絶縁不良の早期発見や予防には、定期的な点検とメンテナンスが最も重要です。

対策⑥:清掃の徹底

汚れや異物の付着は、絶縁材の劣化を早め、放熱を妨げる原因になります。コンプレッサ本体や周辺を定期的に清掃し、ホコリや油汚れ、異物の付着を防ぎましょう。

コンプレッサの修理・メンテナンスの重要性

コンプレッサを長く安全に使用するためには、多岐にわたる点検項目をきちんと実施する必要があります。すべての点検を自社で行うのが難しい状況でも、事故を未然に防ぎ、維持費を抑え、生産性を維持するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。

しかし、コンプレッサの点検には法的な義務がないため、日々の業務に追われると、ついメンテナンスを後回しにしてしまうことが多いようです。確実にメンテナンスを実施し、安定稼働を維持するためには、専門業者への依頼も検討する必要があるでしょう。

コンプレッサの点検・修理・メンテナンスならお任せください

静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場のさまざまな問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたコンプレッサ以外も対象ですので、工場関連機器についてお悩みがありましたらお聞かせください。。

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