コンプレッサとはモーターの力で空気を圧縮し、圧縮エアを排出するエネルギーで空圧機械や機器を動かす為の装置です。コンプレッサの性能は、空気をためておく「タンク容量」や「吐き出し空気量」、「設備に必要な圧力」などによって評価できます。
稼働時間や設置環境によってはコンプレッサにトラブルが生じ、放置すると大きな代償につながるかもしれません。そうなった場合、「エアを使用する設備が止まり、生産がストップしてしまう・・・」なんてケースも考えられます。
そのような事態を未然に防ぐために、コンプレッサで起こりうるトラブルと定期メンテナンス方法をご紹介します。
まず、ゴミの詰まりによるトラブルを説明します。コンプレッサ内部には、吸気フィルタが付いています。コンプレッサを使用していくうちにゴミやホコリがフィルタに目詰まりし、コンプレッサ内部に入り込みます。
こうなると、圧縮空気の品質が低下し、品質検査に通らない製品を生産してしまう可能性があります。また、フィルタにごみが目詰まりする事で、圧縮空気の温度が上昇し、コンプレッサ内部が過熱してしまう恐れがあります。
ドライヤ付きコンプレッサには冷却機能があり、その為に冷媒(フロン)が使われています。しかし、経年劣化で機器内部に亀裂が生じたり、配管部分が腐食してしまう事があります。
こうなると、冷媒(フロン)が漏れてしまい、冷却機能が失われてしまいコンプレッサの故障につながる可能性があります。
給油式コンプレッサで潤滑油の効果が低下した場合、部品の摩耗や過熱などのトラブルが起こる場合があります。定期的に専用の潤滑油を充填する事で金属同士の接触による破損を防いだり、隙間からの空気漏れを防ぐシール効果を果たしています。
では上記のようなトラブルを回避するには、どのようなメンテナンスを心掛ければ良いのでしょうか。
主なメンテナンスは以下の2つです。
・コンプレッサ試運転時の点検
・定期的な専用潤滑油の交換
まず、コンプレッサ運転前の点検についてですが、動作状況が正常かどうかを確認する事が目的です。
点検内容としては、異音や振動・オイル漏れや異臭の有無、部品の緩みや摩耗・破損の状況などが挙げられます。これらの点検を運転前、運転時に行う事で、早期に異常を発見でき高額な修理費を未然に防ぐ事ができる可能性があります。
定期的(半年に1回程)の潤滑油交換も、非常に重要なメンテナンスの1つです。潤滑油を交換する事でコンプレッサの部品内部にたまった汚れが除去され、正常な運転を維持できるようになります。
また、潤滑油の効果が低下した場合、部品の摩耗や過熱などのトラブルが起こる場合があるため、目安として半年に1回(※稼働時間にもよります)のオイル交換を推奨しています。潤滑油の交換方法につきましてはご使用しているコンプレッサのメーカーや型式で異なる為、必ず取り扱い説明書をご確認ください。
以上のように「コンプレッサ試運転前の点検」と「定期的な専用潤滑油の交換」は現在お持ちのコンプレッサの寿命を延ばすために必要なメンテナンスです。これらのメンテナンスをしっかりと実施し、コンプレッサを長持ちさせていただければ幸いです。
いかがでしたか。今回はコンプレッサの点検・メンテナンスのポイントについて解説しました。
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