空気圧を利用してさまざまな製造現場で使用されているコンプレッサ。今回はコンプレッサが故障する原因となる過電流について、過電流が起こる要因と対策を紹介します。
コンプレッサとは、液体や気体を圧縮する装置全般のことです。ただし、基本的には「コンプレッサ」と言えば、空気を圧縮するエアコンプレッサのことを指します。コンプレッサで空気を圧縮し、圧縮した空気を放出する際に生じる大きな力を利用して、金属加工・食品加工・電子部品の製造などが行われています。また、遊園地のアトラクションなどの動力にもなっています。
過電流とは、定められた以上の電流が流れることをいいます。コンプレッサが過電流となることで電線や配線が発熱して溶けたり、発火したりする恐れがあります。過電流はショートによって起こるものと、過負荷によって起こるものの2パターンがあります。
コンプレッサの故障や配線の間違いによるショートで過電流が発生した場合は、安全装置が作動し、稼働が止まるのが一般的です。ショートによる過電流が起きると、配線のミスがないか、故障箇所はないかなどのチェックやつなぎ直しといった点検作業が必要です。
また、配線ミスや故障ではなく、複数の電気系統を同時に多用するなど、シンプルに電線の許容をオーバーするレベルで電流を流したことによって起こる過電流もあります。こちらは作動が止まらず、許容電流以上の負荷がかかり続ける状態になるため、電線の劣化による火災の発生やコンプレッサの寿命を早めてしまう恐れがあります。さらには、許容電流を超えた状態が長く続くと過熱によって電線を覆う部分が溶けてしまい、交換が必要になります。
ショートと過負荷の2つの過電流の要因がある中で、配線ミスが原因となるショートは、比較的原因の見極めと対策が容易に思われるかもしれませんが、どこに配線ミスがあるのかの調査は簡単ではありません。
過電流はコンプレッサ本体の動作不良だけでなく、モーターや部品の故障、誤作動など、さまざまことが原因で発生します。そのため、原因の調査にはメンテナンスや修理を専門とする業者に依頼する必要があることもあります。
過電流が起こる主な要因としては以下のものが挙げられます。
・コンプレッサ自体の動作不良
・モーターの動作不良
・制御部品の故障
・吐出圧力の設定のミス
・吸気・排気フィルターのエレメントの目詰まり
・接続不良や配線トラブル
・サーマルリレー(過電流・過負荷が起こった際に、機械全体を強制停止させるための装置)の誤作動
基本的にはコンプレッサが過負荷になることが過電流につながります。過電流を防ぐためには、適切に定期点検を行うことが最重要です。点検に加えて、設置を検討したいのが安全ブレーカーやサーキットプロテクターといった「遮断機」です。遮断機は、過電流が起きた際に電線の回路を遮断する機械で、コンプレッサや周辺の設備を故障から守ってくれます。
日々同じように使用していても、ある日突然不具合が起きてしまいます。これは機械の寿命の場合だけでなく、日々のメンテナンス不足が原因にあるケースも多くあります。使用前の点検や月に一度、年に一度の定期点検を確実に実施し、長く使用できるようにしましょう。
空気を圧縮するコンプレッサが正常に機能しないと、工場の稼働に大きな支障が生じる可能性があります。早めの修理・点検依頼や定期的なメンテナンス依頼を専門家に依頼することを、ぜひ検討してください。
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