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製造現場において、コンプレッサは生産ラインを支える欠かせない動力源です。安定稼働を維持するためには、オイルやフィルター交換等の日常的な点検に加え、定期的な「オーバーホール」を計画に組み込む必要があります。
しかし、「通常のメンテナンスと何が違うのか?」「いつ実施すればいいのか?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はコンプレッサのオーバーホールの定義から、その必要性や具体的な作業内容、そして実施すべきタイミングの判断基準までを徹底解説します。
コンプレッサを維持管理する方法には、大きく分けて「日常メンテナンス」と「オーバーホール」の2種類があります。
一般的なメンテナンスの目的は、現在の状態を維持することです。オイル交換、フィルターの清掃・交換、ベルトの張り調整など、主に外装部品や消耗品の交換を行います。
オーバーホールは、機械を部品単位まで分解・洗浄し、摩耗した内部部品の交換や再調整を行い、性能を初期状態に近いレベルまで回復させる大規模な整備工程です。コンプレッサの主要構造である「圧縮機本体」までを完全に分解し、内部を精密に再調整します。
コンプレッサのオーバーホールを実施することには以下のようなメリットがあります。
オーバーホールによって設備の寿命を延ばすことができれば、新規の設備投資コストを大幅な抑制が可能です。また、設備を刷新する際に発生する、品質保証の再検証や評価試験、膨大な事務手続きにかかる「目に見えないコスト」を回避できる点も、実務上の大きなメリットと言えるでしょう。
長年現場で稼働してきた機械や装置をそのまま使い続けられれば、生産の安定にも繋がります。特に古い機種はすでに廃番となっていることが多く、最新機種への入れ替えでは、設置作業だけでなく、ラインレイアウトの変更や工程の再構築も必要になることが少なくありません。オーバーホールによって現行の設備をリフレッシュできれば、現場の混乱を避け、従来通りの品質と供給体制を維持することが可能です。
一般的なスクリューコンプレッサを例に、オーバーホールの主な作業工程をご紹介します。
①分解・洗浄
圧縮機本体やモーター、クーラーなどを取り外し、部品一つひとつを丁寧に分解・洗浄します。
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②部品交換
ベアリング、メカニカルシール、ガスケット、Oリングなど、長期間の使用で劣化した重要部品を新品に交換します。
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③隙間調整
圧縮機の性能を左右するローター間の隙間を、ミクロン単位で精密に再調整します。
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④試運転・性能確認
組み立て後、実際に運転を行い、振動・異音・温度・圧力などが基準値内に収まっているかを確認します。
オーバーホールのタイミングは、メーカーや使用環境によって異なりますが、一般的には以下の3つの基準で判断します。
最も客観的な指標となるのが、累計稼働時間です。一般的なスクリューコンプレッサの場合、およそ20,000時間〜 30,000時間の到達が、圧縮機本体のオーバーホールの目安とされています。これは、24時間稼働の工場であれば約3〜4年、日中のみ8〜10時間の稼働であれば約6〜8年に相当します。
稼働時間が少ない場合でも、ゴム製のパッキンやシール、潤滑油などは経年劣化します。稼働時間が基準に達していなくても、設置から4〜6年が経過したタイミングで、専門家による詳細な点検やセミオーバーホールを実施することを推奨します。
以下のような兆候が見られる場合は、基準時間に達していなくても早急なメンテナンス・オーバーホールの検討が必要です。
■異音・振動の増大: ベアリングの摩耗が疑われます。
■吐出温度の上昇: 圧縮効率の低下や冷却系統の詰まりが疑われます。
■油漏れ・エア漏れ: シール類の劣化が進んでいます。
コンプレッサのオーバーホールは、高度な技術力と専用の器具が必要な作業です。不適切な整備は、かえって寿命を縮める結果になりかねません。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場のさまざまな問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたコンプレッサ以外でも、工場関連機器のお悩みがあればお伺いいたします。
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