圧縮空気を生み出すコンプレッサは、幅広い産業で機械・設備の動力源として用いられています。機械の性能を最大限に引き出し、予期せぬトラブルの発生を防ぐためには、コンプレッサのコンディションを万全に整え、維持しなくてはなりません。そこで、今回はコンプレッサを定期的に点検するメリットと、最適な点検周期や点検内容について解説します。
コンプレッサの定期点検を徹底することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。まずはそこから確認しておきましょう。
定期点検を行う最大のメリットは、予防保全ができる点です。突然大きなトラブルが表面化し、コンプレッサが停止すると、修理コストが発生するうえに、生産ラインがストップします。トラブルを未然に防ぐためには、定期的にメンテナンスを実施し、早期に異常個所を発見・解消することがとても重要です。定期的に行うことでメンテナンスの回数は増えますが、余分な修理費の発生や生産ラインへの影響を防ぐことができ、維持・メンテナンス費用の大幅削減にもつながります。
コンプレッサが正常に機能しなくなると、通常よりも余分に電力を消費するようになります。エネルギー効率が低下すると電気代に反映するため、無駄なコストを発生させないためにも、十分なエネルギー効率を確保し、維持することが大事です。点検を定期的に実施すれば、コンプレッサのエネルギー効率を向上させ、高い状態で維持することができます。
コンプレッサの点検周期は、使用状況や機種によっても異なりますが、目安は取扱い説明書に記載がありますので、一度そちらをご確認ください。専門技術者による詳細点検とメンテナンスの周期は、一般的な使用状況の場合、稼働時間6000時間毎、もしくは1年毎が目安になります。ただし、日常的にコンプレッサ運転前の点検を行っていることが前提です。
コンプレッサの点検は、基本的なチェックから専門的な診断まで多岐にわたります。日々の点検、定期的な点検を合わせて、点検内容と頻度は以下の通りです。(※油圧式コンプレッサの場合)
・空気タンクのドレン抜き ➡毎日
・潤滑油量の確認 ➡1週間毎
・安全弁の動作 ➡1週間毎
・異常振動、異常音の有無 ➡1週間毎
・制御機器の動作 ➡1ヶ月毎
・ボルト、ナット、ネジ類の緩み ➡1ヶ月毎
・ベルトの張り具合と傷み ➡1ヶ月毎
・フィルタ ➡1ヶ月毎
・圧縮空気の漏れ ➡1年毎
・電装品、電磁開閉器、圧力開閉器等 ➡1年毎
(電磁開閉器は4年毎に交換が必要です)
・潤滑油の交換 ➡随時
・その他 ➡随時
(配管部品、接続管、ゴムホース、樹脂チューブ、防振ゴム等の点検がその他点検に当たります。ゴムホース、樹脂チューブは、4年毎に交換が必要です)
非常に多くの点検項目がありますが、これらの点検を徹底することで、長期間に渡って、コンプレッサを安心して使用することができます。
いかがでしたか。今回は、コンプレッサの点検周期と点検内容について解説しました。
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