工場や倉庫などの床は、さまざまな目的を持って塗装が行われます。工場の床に対するコーティングの作業全般を塗床(ぬりゆか)といいます。そして、塗床工事と似たものに防塵塗装があります。今回のコラムでは、塗床工事と防塵塗装の違いについて紹介します。
塗床工事は、床の耐久性や水はけを高めるために厚膜(こうまく)の塗料を用いてコーティングするものをいいます。
工場や倉庫であれば重い物が落ちてもひび割れしないような耐久性が求められますし、駐車場や厨房などであれば水はけのよさが求められます。コンクリートがむき出しの状態だと薬品や油で床が腐食したり、物を運搬する際にほこりが舞ったりといった問題が起きます。作業内容に応じて床を塗料でコーティングをし、床を起因とする問題が起きないようにするわけです。
防塵(ぼうじん)塗装とは、その名の通り、ほこりの発生を防ぐために行われるものです。薄い塗料で床をコーティングすることでほこりが舞わないようにします。むき出しのコンクリートはざらざらしていますが、防塵塗装をすることで滑らかになり掃除がしやすくなるといったメリットもあります。薄い塗料を用いるので施工に必要な時間が短く、また、補修がしやすい点も特徴的です。
床を塗料でコーティングするという点では塗床と共通しています。しかし、耐久性を高めるために行われるものではないので、厚みのある塗料ではなく、薄い塗料が使われます。厚い塗料を用いる塗床工事でも防塵効果は期待できますが、一番の目的は耐久性の向上です。防塵塗装と塗床工事では、施工にあたっての目的が異なります。
塗床工事の施工事例として、弊社が手掛けた塗床工事を紹介します。
機械整備に加え、小型重機から大型重機まで整備している関係で、工場内に車輌が出入りすることが多く、コンクリート生地にクラックが入ったり、穴が空いていたりといった欠損が多数ありました。整備に必要な車両を上げる油圧ジャッキを使用する際も、床が平坦でないため、出来るだけ欠損のない場所へ設置するといった手間があり、そのような作業性も改善したいと要望がありました。
また、機械油を使用しているため、床自体に油が染み込んでおり、一般的な塗料のコーティングをしても剥がれやすいとお悩みでした。
そこで、弊社のお勧めする『密着に特化した塗料』で有名な染めQテクノロジィ様の塗料を紹介しました。
まず、油が染み込んだコンクリート生地を専用の機械で表面研磨・清掃し調整しました。その後、凹凸だった床に深部までガッチリ固めて補強するUMフィラーを塗り、固めました。塗装後は表面を出来るだけ平坦にするため、さらに研磨し要望に近い生地に仕上げることが出来ました。これで油圧ジャッキの設置場所も気にせず作業が可能になる見込みです。
上塗りは作業者の安全性を考慮し少し珪砂を吹きかけ、滑り止め加工を施しました。塗料自体が密着性に優れていますので剥がれづらく、長く使用出来ると見込みです。作業工程も出来るだけ業務に支障が出ないよう3日間で完了でき、お客様にご満足いただけました。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場のさまざまな問題についてご相談を承っています。
今回ご紹介しました塗床工事以外にも、工場関連機器のお悩みもお伺いいたします。
静岡県内で、工場について何かお困りのことがあれば、静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、ぜひ一度お気軽にご相談ください。