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整備工場で塗床工事を行う場合の注意点とは

整備工場で塗床工事を行う場合の注意点とは
投稿日:2025年3月27日

整備工場の作業環境は過酷です。整備工場のように大きな負担がかかる床面には、耐久性や清掃性を向上させるために、塗床工事が欠かせません。本記事では、塗床工事の概要や、整備工場での具体的な利点、施工時の注意点について詳しく解説します。

塗床工事とは

塗床工事とは、コンクリートやモルタルなどの床面に特殊な塗料を塗布し、床の機能性を高める工事のことです。主にエポキシ樹脂やウレタン樹脂の塗料を使用します。床の表面に塗料を塗布することで、油や薬品の浸透を防ぐ「耐油性」や、床の劣化を遅らせる「耐久性」を向上させられます。それ以外にも、耐摩耗性、耐薬品性、防塵性などの特性を付加することが可能です。

工場では粉塵の発生が問題になりますが、塗床工事を行うと、粉塵の発生が抑えられ、清掃性も向上します。目的に応じた塗料を選定することにより、倉庫や駐車場、飲食店など、工場以外にも幅広い施設で高い効果が期待できる工事です。

整備工場で塗床工事が必要な理由

整備工場は特殊な作業環境です。そのため、塗床工事の必要性はとても高いといえます。整備工場にとって塗床工事が欠かせない理由は、主に以下の4つです。

①耐油性が求められる環境だから

機械や車両を扱う整備工場では、エンジンオイルや潤滑油などの油分がこぼれる機会が多く、床に浸透すると劣化が進んでしまいます。こぼれた油で床が滑りやすくなると、事故も起こりやすくなり危険です。そのような床に塗床工事で耐油性を付加すれば、床材そのものの劣化を防ぎつつ、作業員の安全も確保できます。

②耐摩耗性が求められる環境だから

整備工場の床面は、機械や工具の移動、重量物の取り扱いが多く、摩耗しやすい状況です。そのような床面に塗床工事を施すと、床材が強化され、長期的な摩耗に耐えられるようになります。特に、フォークリフトや重機が頻繁に行き交う環境では、耐摩耗性の高い塗床材の選定が重要です。床面の摩耗が進行すると凹凸が生じ、作業効率が低下します。この問題を未然に防ぐためにも、耐摩耗性を重視した塗床工事が欠かせません。

③高い防塵性と清掃性が求められる環境だから

未処理のコンクリート床は表面が粗いため、摩擦により粉塵が発生します。この粉塵は、作業環境の汚染や機械への悪影響を引き起こす要因の1つです。塗床工事によって防塵効果を得ると、作業環境が清潔に保たれ、清掃の手間を大幅に軽減できます。また、防塵性の向上によって、製品への異物混入リスクが低減する点も見逃せません。特に精密機械を扱う工場では、この点が品質管理に直結する重要な要素となります。

④美観の向上が求められる環境だから

塗床工事では、滑りにくさや安全性を考慮しつつ色やデザインをカスタマイズし、美観と機能性を兼ね備えた床面を作り上げることが可能です。たとえば、作業エリアと通路を異なる色で塗り分け、視認性を向上させつつ、安全対策することもできます。工場内の床を美しく保つことは、従業員の士気を向上させ、訪問者にも良い印象を与えることにもつながります。

整備工場で塗床工事を行うときのポイント

塗床工事を成功させるためには、適切な施工プロセスや材料選びが欠かせません。施工時に押さえる必要があるポイントは以下の通りです。

①丁寧な下地処理

施工前の下地処理は、塗床工事の成否を左右するほど重要です。床面に付着した油や汚れは塗料の密着性を損なう原因となるため、専用の洗剤や研磨機器を使用して徹底的にクリーニングを行わなければなりません。また、床面にひび割れや欠損がある場合は、これを補修して平滑な状態に整える必要があります。環境によってはプライマーを使用して、塗床材の密着性をさらに高めることも重要です。下地を平滑に保つことによって、塗料が均一に塗布され、耐久性や仕上がりの美観が向上します。

②塗床材の適切な選定

使用環境に応じて最適な塗床材を選ぶことが重要です。例えば、耐油性を重視する場合はエポキシ樹脂系の塗料が適しています。一方、衝撃吸収性や柔軟性が求められる環境では、ウレタン樹脂系の塗料が効果を発揮します。

さらに、防滑性が求められる環境では、表面にざらつきを加える仕上げ方法を採用することも検討されます。これにより、作業中の滑りによる事故を防ぐことができます。

塗床材選びでは、耐候性も考慮する必要があります。特に屋外と接するエリアや、極端な温度差が生じる環境では、気候変動に強い材料を選定することが推奨されます。

③適切な厚さの確保

塗床工事では、塗膜の厚さが重要な性能要件となります。厚すぎるとコスト増につながり、逆に薄すぎると耐久性が不足するからです。施工環境や用途に応じて、適切な厚さを確保する設計をすることが求められます。

厚さの選定においては、工場内での機械の重量や通行頻度、使用環境における負荷条件の考慮が必要です。たとえば、高荷重がかかる場所では厚みを増やすことで、耐久性を確保できます。厚さを均一に保つためには、施工中の温度や湿度の管理も重要です。適切な管理をすることで、塗料の乾燥不良や施工不良を防ぐことができます。

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