（平日8:00~17:00）
食品工場は、衛生面の確保と作業効率を両立させることが求められる特殊な環境です。そのような環境下では、塗床工事が、食品の安全性と作業環境の向上に重要な役割を果たします。本記事では、塗床工事の概要から食品工場特有の要件、具体的な施工時のポイントに至るまで、詳しく解説します。
塗床工事とは、床面に樹脂塗料を塗布することでその機能性を高める工事です。コンクリートやモルタルなどの床のうえに樹脂系の塗料で層を形成し、耐久性、耐薬品性、衛生性、防滑性を向上させます。食品工場では、床面が製品の品質や衛生管理に与える影響が大きいため、滑らかで汚れがつきにくい状態が理想とされます。樹脂塗床は、物理的な損傷を防ぐだけでなく、床面からの粉塵発生を抑制するうえでも効果的です。
さらに、滑り止め効果を持つ塗床材を使用すれば、作業員の転倒リスクが軽減され、労働災害の防止にもつながります。樹脂塗床には、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、メタクリル樹脂などの種類があるので、それぞれの特性に応じて使い分けることが重要です。
食品工場は他の製造業と異なり、食品衛生法やHACCP（危害分析重要管理点）など、厳しい衛生基準をクリアしなければなりません。そのためには、塗床工事が不可欠です。食品工場では、以下のような目的で塗床工事を行います。
工場内で発生する細菌や汚染物質を防ぐためには、隙間が少なく、清掃しやすい床でなければなりません。樹脂塗床はその要件を満たしており、食品の安全性を確保するうえでも有効です。
作業中に水や油が飛散すると、床が滑りやすくなります。滑り止め機能を持つ塗床材を使用すれば、作業員の安全性が向上し、労働環境も改善されます。
食品工場では、洗浄剤や消毒剤などの化学薬品が多く使用されることもあり、それらに対する耐性が重要視されます。耐薬品性・耐久性の高い塗床材を使用することにより、化学的な損傷を防ぎ、床の寿命を延ばすことも可能です。
清掃が容易になると、工場の稼働率が向上します。作業者が快適に業務を遂行できる環境を構築するためには、塗床工事による床面の整備が欠かせません。
食品工場における塗床工事には、計画段階から施工、メンテナンスまでの間に、いくつか大事なポイントがあります。十分な効果を得るためには、それらを押さえることが欠かせません。特に大きなポイントは、以下の２つです。
塗床材を選ぶ際には、工場内の環境や用途に応じた最適な材料を選定することが非常に重要です。食品工場では、床面が食品の安全性や作業効率に直結するため、特に慎重に材料を選場なければなりません。たとえば、湿気が多いエリアや洗浄頻度の高い場所では、防水性や耐湿性が求められます。こうした条件下では、防水性の高いエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂が有効です。
一方で、油や水が頻繁に飛散する作業エリアでは、防滑性が最重要視されます。この場合、滑り止め効果を発揮する特殊骨材を配合したノンスリップタイプの塗床材を選ぶと、作業員の安全性確保に有効です。さらに、化学薬品を使用するエリアでは、薬品による床材の劣化を防ぎ、長期間にわたり床の性能を維持するために、耐薬品性に優れた材料を選定する必要があります。適切な塗床材の選定は、工場全体の運用効率や安全性にも大きな影響を与えるものです。
塗床工事の成功には、施工前の下地処理が極めて重要です。下地処理が不十分だと、塗床材が剥がれる、ひび割れるといった問題が発生し、結果として工場全体の運用に支障をきたす可能性があるからです。まずは、既存の床面に付着している汚れや油分、埃などを徹底的に除去する必要があります。これらが残ったまま塗床工事を行うと、塗料の密着性が低下し、耐久性が著しく損なわれる原因となるからです。
もし床面の凹凸やクラックがある場合は、それらを平坦化する処理も欠かせません。エポキシ樹脂を用いた補修材や、研磨機を使用して床を均一に整えることで、塗床材が床面にしっかりと密着するようになります。また、湿気が多い場合には乾燥処理を施し、塗料が乾燥後に剥がれるリスクを最小限に抑えることも必要です。これらの下地処理を丁寧に行うことで、塗床工事の仕上がりが格段に向上し、長期間にわたり耐久性を維持することが可能となります。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しました塗床工事以外にも、工場関連機器のお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。
