ホイストは工場や倉庫での作業に欠かせない機械です。今回のコラムではホイストの特徴と種類、クレーンとの違いなどを紹介します。
ホイストとは、重い荷物を持ち上げる機械装置のことです。ドラムやホイールに巻き付けられたロープやチェーンを巻き上げることで荷物を上下に移動させられます。
重い荷物を扱う工場や物流倉庫などでは欠かせない存在です。
ホイストには主に以下の4種類があります。
①電動横行電気ホイスト
電動横行電気ホイストは、モーターを電力で動かし荷物の上げ下ろしを行うホイストで、上下の移動だけでなく横方向への移動も可能です。大型の荷物の運搬が効率的に行える点に特徴があります。
②エアホイスト
エアホイストは圧縮された空気を動力源とするホイストです。火花が発生しないので、引火性の薬品やガスを扱う工場や倉庫などの使用に適しています。
③電池式ポータブルホイスト
電池式ポータブルホイストは、電池をエネルギー源とするホイストです。軽量で小型なため、持ち運びができ、電源のない現場でも使用できる点に特徴があります。
④レバーホイスト
レバーホイストは、手動でレバーやハンドルを操作し、テコの原理を活用して荷物を持ち上げるホイストです。電力や空気圧を使用しないので、動力源は人力となります。
小型でかつ安価に入手できるので、簡易的な持ち上げ作業や、荷物を頻繁に移動させなくてはならない状況での使用に適しています。
ホイストは、ロープやチェーンを巻き付けたホイールによって荷物の昇降を行う装置で、クレーンは動力によって荷物を吊り上げて水平運搬を行う装置です。大きな違いは、ホイストは荷物の昇降に特化したもので、クレーンは水平移動も可能な点です。また、ホイストはレバーホイストのように人の力が動力源であることがありますが、クレーンは必ず電力などの動力を活用しています。ホイストとクレーンを組み合わせたホイストクレーンという機械装置もあります。
ホイストは、法令で定期的な点検を行うことが義務付けられています。
日常点検はホイストの稼働前に毎回行う点検です。ブレーキやクラッチは問題なく作動するか、ランウェイの状態やトロリが通るレールに障害物がないかなどをチェックします。
月次点検は月に一度行う点検です。ホイストの安全装置やブレーキ、クラッチの機能に加え、巻過防止装置や過負荷警報装置、配線や配電盤、集電装置などに至るまで、詳細な点検を行います。
年次点検は年に一度行う大がかりな点検です。ホイストの構造部分や機械部分、電気部分に加えて、ワイヤーロープや吊り具、基礎部分など、ホイストを構成するあらゆる部分の点検を行います。
また、荷重試験を含む検査では、クレーンの安全規則に従い、定格荷重に相当する重さを吊り上げての動作検査が必要です。
月次点検、年次点検についてはその点検内容を記録に残ることが義務付けられています。
定期的にメンテナンスを実施することは、安全上必須のことです。しかし、日々ホイストを稼働させている中、通常業務の合間を縫って徹底的な点検を行うことは簡単ではありません。法令に基づいた点検を確実に行うためにも、外部の専門業者に点検を依頼することも検討してみてください。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたホイストクレーン以外にも、コンプレッサや油圧ポンプ・油圧機器などのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。