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ホイストクレーンの長寿命化のためのメンテナンスガイド

ホイストクレーンの長寿命化のためのメンテナンスガイド
投稿日:2024年6月18日

導入したホイストクレーンを長く使い続けるためにはメンテナンスが欠かせません。今回のコラムでは、ホイストクレーンに必要な日常点検と定期メンテナンスについてのチェック項目について紹介します。部品の交換タイミングについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ホイストクレーンの寿命を延ばすためのメンテナンスの重要性

ホイストクレーンのメンテナンスを怠ると、モーター、制御盤からの異音や異臭、ホイストの巻き上げ巻き下げ作業時の不調、煙の発生などの異常が発生する可能性が高くなります。

ホイストクレーンは重い荷物を運ぶものなので、故障によって制御不能になったり予想外の動きをしたりするようになると、重大な事故につながる可能性もあります。ホイストクレーンを長く安全に使用するためには、正しいメンテナンスが欠かせません。

ホイストクレーンは、労働安全衛生法と、同法に基づくクレーン等安全規則により、設置後の定期自主検査が義務付けられています。日常点検と定期点検の内容について確認していきましょう。

日常点検の重要性

故障は、日々の使用におけるほんの少しの不調が少しずつ悪化して発生することも多いものです。作業開始前に点検をしっかりと行うことで異常に気付きやすくなり、事前に対策を講じることができます。

日常的にチェックすべきポイントと頻度

クレーン等安全規則第36条では、日常点検の項目として以下の内容のチェックが定められています。

・巻過防止装置、ブレーキ、クラッチ及びコントローラーの機能性
・ランウェイの上及びトロリーが横行するレールの状態
・ワイヤーロープやチェーンが通っている箇所の状態

「問題ないだろう」となおざりにならず作業開始前の日常点検のために時間をしっかり確保し、設備の違和感に気づけるような体制づくりも重要でしょう。

定期メンテナンスの実施

ホイストクレーンの定期メンテナンスでは日常点検に加え、1年に1度行う年次点検とひと月に1度行う月次点検が義務付けられています。定期メンテナンスで実施した検査結果の記録は3年間保管する必要があります。

法令で定められた自主点検を怠った場合は50万円以下の罰金を課せられることがあります。定期メンテナンスは必ず実施するようにしてください。

ひと月ごとの詳細なメンテナンス項目

・巻過防止装置その他の安全装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ及びクラッチの異常の有無

・ワイヤーロープ及びつりチェーンの損傷の有無
・フック、グラブバケツト等のつり具の損傷の有無
・配線、集電装置、配電盤、開閉器及びコントローラーの異常の有無

半年(1年)ごとの詳細なメンテナンス項目

・つり具、及び基礎の異常の有無についての点検
・荷重試験

法令で義務づけられているのは、日常点検・月次点検・年次点検です。ただし、これらはあくまで義務の範囲となるので、例えば、導入から長い期間が経っているものについては年次点検の内容を半年に1度の頻度で実施するなど、メンテナンスを実施する頻度を高めれば、更なる長寿命化が期待できます。

部品の修理とメンテナンスのタイミング

ホイストクレーンを動かす制御部品だけでなく、使用に伴って摩耗が起こる部品なども定期的に点検、メンテナンスが必要です。

各部品の寿命と交換タイミング

使用頻度や時間によって部品の寿命はさまざまですが、部品の交換タイミングの目安となるのは「異常を感じたとき」です。例えば、異常の症状として表れやすい異音や異臭はモーターや制御盤内部の部品の焦げ付きやチェーンの摩耗などが疑われますし、吊り上げ時の異常はブレーキに問題があるケースが多くなります。

長期的な視点でのメンテナンスの重要性と計画的な実施の推奨

メンテナンスを行うのはクレーンを長く使うためだけでなく、事故を未然に防ぐためでもあります。法令で義務付けられている点検は最低限実施するようにしてください。

また、点検は、導入時と比べて機能の劣化がないかを測る機会にもなります。導入時から定期的なメンテナンス計画を立てておけば、部品の交換タイミングや将来的な修理・買い替えといったところまで長期的な視点での資金繰りにも役立ちます。

ホイストクレーンの修理・メンテナンスならお任せください

定期的にメンテナンスを実施することは、安全上必須のことです。しかし、日々ホイストクレーンを稼働させている中、通常業務の合間を縫って徹底的な点検を行うことは簡単ではありません。法令に基づいた点検を確実に行うためにも、外部の専門業者に点検を依頼することも検討してみてください。

ホイストクレーンの修理・メンテナンスに関わるお悩みがございましたら、静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。