騒音は、エアコンプレッサの不具合の1つで、故障の予兆でもあります。放置すると大きな問題につながる恐れがあるため、相応の対応が必要です。そこで当記事では、コンプレッサにおける騒音の原因と対策について解説します。
コンプレッサは、空気を圧縮して高圧の空気を供給する装置です。工場や建設現場、さらには家庭用エアコンの一部としても広く使用されています。エアコンプレッサには種類があり、主なものはレシプロ式、スクリュー式、スクロール式の3つです。それぞれ性能や騒音レベルに以下のような違いがあります。
ピストンがシリンダー内を往復運動することで空気を圧縮します。構造がシンプルでメンテナンスが容易ですが、振動や摩擦が多く、騒音が大きいのが欠点です。
2つのスクリューが回転することで空気を圧縮します。連続運転が可能で、レシプロ式よりも騒音が小さく高効率です。
2つの渦巻き状の部品が相互に動くことで空気を圧縮します。静音性に優れており、オイルフリーエアーなので食品・医療系や家庭用エアコンなどによく使用されているタイプです。
エアコンプレッサの騒音レベルは、デシベル(dB)という単位で表されます。一般的な騒音レベルの目安は以下の通りです。
あくまで目安とはなりますが、エアコンプレッサの騒音レベルは、おおよそ以下の値になります。参考にしてください。
65~70dB以上。振動や摩擦が多く、騒音が大きい。
60~65dB。安定した連続運転が可能で、レシプロ式より騒音が低い。
40~60dB。静音性に優れている。
エアコンプレッサの稼働音が通常よりもうるさくなった場合、故障の予兆である可能性があります。以下のような異常音が発生する場合は、速やかな対処が必要です。
モーターのベアリングが摩耗している可能性があります。ベアリングの交換が必要です。
配線の緩みや電気的な問題の可能性があります。専門の技術者による点検が必要です。
部品の緩みやエアフィルターの不適切な取り付け、ダクトの振動などで発生します。部品の再取り付けや交換が必要です。
エアコンプレッサの騒音に対する対策として、以下のような方法があります。状況に応じて適切な方法を選びましょう。
何より重要なのが、コンプレッサの点検・メンテナンスです。定期的に点検やメンテナンスを行うことが、騒音を含むトラブルの防止につながります。点検箇所は基本的な部分から専門的な部分まで多岐にわたるので、下記の記事などを参考にしながら、発生している音に応じた最適な点検・メンテナンスを行うようにしましょう。
特にコンプレッサに異常がなく、単に騒音を防止したいという場合には、下記の方法が最適です。
防音ボックスは、防音性能のあるコンプレッサを収納できる箱です。吸音材や防音材を用いて自作することも可能ですし、既製品もあります。特にレシプロ式コンプレッサのように騒音が大きい場合には効果的です。防音ボックスを使用することで、騒音を大幅に低減することができます。
コンプレッサを置いている場所の周囲を防音パネルで囲う方法です。防音パネルは、吸音材や遮音材と組み合わせて使用することで、より効果的に騒音を抑えることができます。
今回は、エアコンプレッサの騒音問題の原因と対策についてご紹介しました。
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