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油圧機器の主なトラブルとその原因!修理・メンテナンスで対策

油圧機器の主なトラブルとその原因!修理・メンテナンスで対策
投稿日:2025年3月27日

工場の生産ラインに欠かせない油圧機器ですが、適切なメンテナンスを怠るとさまざまなトラブルが発生し、生産効率の低下や安全上のリスクに繋がります。本記事では、油圧機器の主なトラブルとその原因について解説します。

油圧機器とは?

油圧機器とは、流体の圧力を利用して駆動する機械装置の総称です。作動油と呼ばれる特殊なオイルを密閉された回路内で加圧し、その圧力エネルギーを機械的な仕事に変換することで、多様な産業分野において不可欠な役割を担っています。

油圧機器の動作は、密閉された流体に加えられた圧力はあらゆる方向に等しく伝わるというパスカルの原理によるものです。この物理法則を応用することにより、小さな入力から極めて大きな出力を得ることができます。

油圧機器でよくあるトラブル

油圧機器でよく発生するトラブルには、以下のようなものがあります。

①作動油の漏れ

油圧機器や配管の接続部、シール部分などから作動油が漏れるトラブルです。油圧低下や油圧機器の性能低下、火災のリスクが高まります。

主な原因:シール材の劣化、配管の緩み、機器の損傷等

②油圧低下

油圧ポンプの性能低下、作動油の漏れ、配管の詰まりなどにより油圧が低下するトラブルです。油圧機器の動作不良や停止に繋がります。

主な原因:作動油の不足、油圧ポンプの摩耗、配管の詰まり、油圧バルブの故障等

③異音・振動

油圧ポンプや油圧モーターなどの内部部品の摩耗や損傷、作動油の汚れなどにより異音や振動が発生するトラブルです。油圧機器の寿命を縮める恐れがあります。

主な原因:内部部品の摩耗、作動油の汚れ等

④動作不良・停止

油圧バルブの故障、油圧シリンダの固着、電気系統のトラブルなどにより油圧機器が正常に動作しない、または停止するトラブルです。

主な原因:油圧バルブの故障、油圧シリンダの固着、電気系統のトラブル等

⑤作動油の劣化

作動油の汚れ、水分混入、酸化などにより作動油が劣化するトラブルです。油圧機器の性能低下や故障の原因となります。

主な原因:作動油の汚れ、水分混入、酸化等

まとめ:油圧ポンプのメンテナンスと寿命延長のポイント

油圧ポンプの性能を維持し、寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが重要です。​特に、作動油の品質管理やフィルターの定期的な交換は、ポンプの効率的な運転に寄与します。​また、異常音や振動などの兆候を早期に発見し、適切な対応を行うことが、故障の未然防止につながります。​これらのポイントを踏まえ、日常的な点検と管理を徹底しましょう。