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油圧機器の種類と延命化のポイント!点検・修理・メンテナンスの重要性

油圧機器の種類と延命化のポイント!点検・修理・メンテナンスの重要性
投稿日:2025年3月27日

油圧機器は、工場の生産ラインを支える重要な役割を担うものです。しかし、適切な点検やメンテナンスを怠ると、故障や性能低下を引き起こし、生産効率の低下や安全上のリスクを高める可能性があります。当記事では、油圧機器の種類から延命化のポイント、点検・修理・メンテナンスの重要性について解説します。

油圧機器とは?

油圧機器とは、液体(作動油)の圧力エネルギーを機械的な力や運動に変換する装置の総称です。自動車のブレーキや建設機械、航空機の操縦システムなど、幅広い分野で利用されており、以下のような特長があります。

  • 小さな力で大きな力を生み出せる
  • 力の伝達がスムーズ
  • 負荷がかかっても安全性が高い

油圧機器の種類

油圧機器にはさまざまな種類がありますが、主なものは以下の5種類です。

  • 油圧ポンプ:作動油に圧力を加える装置
  • 油圧シリンダ:油圧エネルギーを直線運動に変換する装置
  • 油圧モーター:油圧エネルギーを回転運動に変換する装置
  • 油圧バルブ:作動油の流れや圧力を制御する装置
  • 油圧配管:作動油を各機器に伝達する管

油圧機器の延命化のポイント

油圧機器の延命化のポイントは、ズバリ、故障する前に不具合を発見し適切な対応をすることです。油圧機器を長く安全に使い続けるために、点検や修理・メンテナンスを行います。

油圧機器の点検

油圧機器を点検するのは、機器の状態を定期的に確認し、早期に異常を発見するためです。定期的な点検により、故障や性能低下を未然に防ぎ、油圧機器の寿命を延ばすことができます。主な点検内容は下記の通りです。

  • 作動油の点検
    • 作動油の量、汚れ、粘度、異臭の有無などを確認します。
    • 作動油の劣化は、油圧機器の性能低下や故障の原因となるため、定期的な交換が必要です。
  • 漏れの確認
    • 油圧機器や配管からの作動油の漏れがないか確認します。
    • 漏れは、油圧低下や火災の原因となる可能性があります。
  • 異音・振動の確認
    • 油圧機器の運転中に異音や振動がないか確認します。
    • 異音や振動は、内部部品の摩耗や損傷を示唆する可能性があります。
  • 油圧計の確認
    • 油圧計の指示値が正常範囲内にあるか確認します。
    • 油圧低下は、ポンプの故障や配管の詰まりなどを示唆する可能性があります。
  • 外観の確認
    • 油圧機器の外観に損傷や腐食がないか確認します。
    • ホースのひび割れ、膨れなども確認します。

油圧機器の修理・メンテナンス

修理・メンテナンスを行うことにより、点検で発見された異常や故障を改善し、正常な状態に戻すことができます。油圧機器の寿命を延ばし、生産効率の低下を防ぐためには、早期の修理・メンテナンスが重要です。修理・メンテナンスの主な内容は下記の通りです。

  • 部品交換
    • 摩耗や損傷した部品を新品に交換します。
    • オイルシール、パッキン、ホース、ポンプ、モーターなど
  • 漏れ修理
    • 漏れている箇所を特定し、パッキン交換や配管修理などを行います。
  • 異音・振動修理
    • 異音や振動の原因を特定し、部品交換や調整などを行います。
  • 油圧調整
    • 油圧計を見ながら油圧の調整をおこないます。

まとめ:油圧機器の適切な管理とメンテナンスの重要性

油圧機器は、工場の生産ラインを支える重要な役割を担っています。​定期的な点検や適切なメンテナンスを行うことで、機器の性能を維持し、故障を未然に防ぐことが可能です。​作動油の品質管理や漏れの確認、異音や振動のチェックなど、日常的な管理を徹底することで、油圧機器の寿命を延ばし、安定した稼働を実現できます。​これらのポイントを踏まえ、適切な管理を行いましょう。