油圧ポンプは、産業用機械や建設用の重機、農業機械、フォークリフトなどの大きな力が求められるものに使用されています。今回のコラムでは、油圧ポンプを使用する上で起こりがちなトラブルと、その要因について紹介します。
油圧ポンプは油圧の力を利用した装置の一種です。油圧とは、油にかける圧力のことで、油圧ポンプは、油に圧力をかけ、吸入した油を吐出することでエネルギーを発生させる装置です。エンジンやモーターから発生する運動エネルギーを、流体エネルギーに変換する役割を持ち、油圧ポンプがあることで、エンジンやモーターなどからかけた元々の力よりも大きなエネルギーが生み出せます。
火災などのリスクがありながらも水や空気ではなく油が用いられるのは
・粘性があって漏れにくい
・沸騰しない
・潤滑性がある
・耐摩耗性が高い
・錆を起こしにくい
といった利点があり、高い圧力がかけられるからです。
油圧ポンプには、「ギヤポンプ」「ベーンポンプ」「ピストンポンプ」の主に3種があります。
さまざまな機械に組み込まれている油圧ポンプでは、以下のようなトラブルが起こることがあります。
ポンプの摩耗や、パッキン類の摩耗から、油圧が上がらなくなることがあります。摩耗の原因には、単純な経年劣化だけでなく、ポンプ内に異物が混入して異常な摩耗が発生している可能性もあります。異物混入の場合は、深刻なトラブルになりえるので、混入経路の封鎖やオイルタンクに開放されている箇所はないかなどのチェックが必要です。
油圧ポンプからオイルが漏れることは基本的にありません。そのため、オイル漏れが発生している時点で、それがわずかな量であったとしても油圧ポンプに不具合が生じている可能性が高くなります。オイル漏れの主な原因としては、オイルの汚染によってパッキンが摩耗してしまっていることが挙げられます。
油圧ポンプから異音が発生するのは、油を吸引する段階での不具合が原因です。配管内がオイルの汚染により詰まっていたり、吸い込み側のフィルター(サクションフィルター)が目詰まりを起こしていたりすると、異音が発生します。
ポンプの発熱は、ポンプの不具合で熱が発生し、油温が上昇することで起こります。油の温度が高くなると、オイル漏れの増加や寿命が短くなるなど、さまざまな悪影響があります。
油圧ポンプには、使用に伴いさまざまなトラブルが発生しがちです。トラブルを予防するためには、やはり定期的なメンテナンスや点検が欠かせません。とはいえ、大型の機械を隅から隅までチェックするのは、手間がかかります。漏れのない徹底的な点検を行うためにも、プロに依頼するのがおすすめです。
今回は油圧ポンプに発生しやすいトラブルやその原因について解説しました。
油圧ポンプの修理・メンテナンスに関わるお悩みがございましたら、静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。