コストやデメリットが先立ちがちなが中長期業が脱炭素化ですが、実はデメリット以上にメリットも盛りだくさんにあることをご存知でしょうか?この記事では中小企業の脱炭素経営のメリットまるっと解説いたします。
中小企業が経営に脱炭素化を取り入れるとどんなメリットがあるか?環境省の「中小規模事業者のための 脱炭素経営ハンドブック」に、他に先駆けて脱炭素化に取り組んだ事例が紹介されていますので、そちらをもとにメリットをご紹介します。
メリットの一つ目は、脱炭素化による売上・受注の拡大です。近年、トヨタやアップルなどの大手企業が相次いでサプライチェーン全体で脱炭素化に取り組むことを表明しており、今後サプライヤーを選別する動きが加速することが見込まれます。この流れは、裏返せばこれまで取引がなかった大企業から新規受注を獲得するチャンスとも言えます。
神奈川県横浜市の株式会社大川印刷は、そのチャンスをものにした企業の一つであり、以下のような経緯で受注につながったと回答しています。
早くから脱炭素経営に取り組んだため、先進的な取組としてメディアに取り上げられ、見学者を多数(2019 年度は 430 名)お迎えし、取組や環境印刷に共感を持ったお客様からの問い合わせや御注文が増えました。
出典:環境省「中小規模事業者のための 脱炭素経営ハンドブック-P.9」
脱炭素経営を行うには、エネルギーを多く消費する非効率なプロセスや設備の更新を進める要があり、その工程に伴い光熱費・燃料費の低減することが可能です。
事実、三重県の製造業「中部産商株式会社」は、ガスの消費量を大幅に減らすことができたようです。
以下の、2つの本社工場とは別にあった工場のトンネル炉を閉鎖し、生産量は増加でもガスの消費量を半分近く減らすことができた。
・燃焼空気及び燃焼ガスの流量を定期的に測定し、M 値(空気比)の管理を行ない運用の最適化図る
・製品の種類によって焼成温度を、最適な温度に調整できるようにする
出典:環境省「中小規模事業者のための 脱炭素経営ハンドブック-P.15」
また、一般的には費用が高額になると思われがちな再生可能エネルギー電力の調達ですが、大きな追加負担なく実施しているケースもあるようです。
脱炭素化に取り組み、大幅な温室効果ガス排出量削減を達成した企業は、メディアへの掲載や国・自治体からの表彰対象となることを通じ、自社の知名度・認知度の向上に成功するケースが増えています。
早くから脱炭素経営に取り組んだため、先進的な取組としてメディアに取り上げられた。
出典:環境省「中小規模事業者のための 脱炭素経営ハンドブック-P.9」
脱炭素化に向けた取組は、気候変動問題などに関心を持つ環境意識の高い人材に共感・評価され、「この会社で働きたい」と思わせる効果が期待できます。特に若者ほど、SDGsへの感度が高く、社会貢献意欲が高いというデータも出ており、脱炭素経営は今後若者を獲得するための切り札になる可能性があります。
ここまで中小企業の脱炭素化のメリットをご紹介してまいりましたが、脱炭素化は早く取り組むほど周りからの注目度が高く、自社の優位性の構築に貢献します。
先行者利益を獲得するためにも、お早めに脱炭素化へ取り組んでみてください。