ホイストクレーンの点検やメンテナンスを怠ると、大規模な事故につながりかねません。というのも、ホイストクレーンは、工場や倉庫内で重量物の運搬に用いられるからです。十分な性能が発揮できない状態で使用すると、死亡事故につながる恐れがあります。職場環境を安全に保つためにも、ホイストクレーンの性能を高い状態で維持することがとても重要です。そこで、当記事では、特に点検・メンテナンスすべき部品としてワイヤーロープに焦点を当て、詳しく解説します。
ホイストクレーンを使用するにあたり、毎回の作業前、月に一度、年に一度の点検および自主検査が義務づけられており、クレーン等安全規則第34〜39条に詳細な規定があります。具体的な内容については、下記の記事に詳しくまとめてありますので、是非参考になさってください。
ホイストクレーンの場合、幅広い部品の点検やメンテナンスが必要ですが、ここでは、特に重要な要素であるワイヤーロープの点検・メンテナンスについてご紹介します。日々の点検以外に、特にワイヤーロープのメンテナンス・交換を行う判断材料となるのは、次の3つのポイントです。
ワイヤーロープが腐食している場合、ピッチングが生じてワイヤーロープがあばた状になることがあります。摩耗している場合は、素線表面の金属らしい光沢が無くなり灰白色や青色の変色が見られることが少なくありません。また、素線と素線の隙間がなくなることもあります。
使用に伴う汚れを拭き取った際にワイヤーロープの腐食がないか、また、視覚的に摩耗していないかをきちんと確認することが重要です。腐食や摩耗が発生している場合は、速やかに専門業者へ相談しましょう。
形崩れとは、素線の飛び出し、心線のはみ出し、ストランドの落ち込み、ストランドの飛び出し、扁平、プラスキンク、マイナスキンク、うねりの状態が発生していることを指します。点検時に視覚的に判断し、形崩れが発生している場合には、専門業者へ相談しましょう。
点検時に、ワイヤーロープに断線が生じていたらメンテナンス・交換が必要であることは言うまでもありません。特に、ワイヤーロープに複数本の断線が生じている場合は、そのまま使用するのは危険です。すぐにワイヤーロープの交換を専門業者へ相談しましょう。
以上のように、ワイヤーロープをメンテナンス・交換すべきか判断するポイントは複数あります。意外と見逃しがちですから、意図的に確認するようにしましょう。
いかがでしたか。今回はホイストクレーンにおけるワイヤーロープの点検・メンテナンスについて解説しました。
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