ホイストクレーンには、作業前に行う日々の点検に加え、月に1回行う月次点検、年に1回行う年次点検が義務付けられています。今回のコラムでは年次点検をテーマに、点検の重要性や点検項目について紹介します。
ホイストクレーンとは、ロープやチェーンの巻き上げ装置として電気ホイストを用いたクレーンのことです。重量のある荷物を円滑に運搬するために、主に工場や建設現場などで使用されています。
ロープやチェーンを巻き付けたホイールによって荷物の昇降を行う装置であるホイストと、動力によって荷物を吊り上げて水平運搬を行う装置であるクレーンを組み合わせたものがホイストクレーンです。
ホイストクレーンの年次点検は、労働安全衛生法と、同法に基づくクレーン等安全規則によって義務付けられています。実施した検査結果の記録は3年間保管する必要があります。
年次点検では、包括的な設備の点検と荷重試験を行います。
ワイヤーロープや吊具に加え構造部分や機械部分、基礎部分に異常がないかをチェックします。
荷物をクレーンに吊って動作に異常がないかを確認することを荷重試験といいます。荷重試験では定格荷重に相当する荷物を吊って動作確認を行います。
定格荷重とはクレーンの吊り具に実際に吊り下げられる荷物の重さのことで、フックやリングといた吊具自体の重さは含まれません。
義務である年次点検を行った場合には、事故やトラブルが発生しやすくなるだけでなく、罰金が課せられることもあります。
年次点検では作業前の点検や月次点検でも行わない箇所の点検を実施します。構造部分や基礎部分の点検を行うものなので、点検を行わないことで発生するトラブルは深刻なものである可能性が高くなります。長く使用するためだけでなく大きな事故を防ぐためにも年次点検の実施は必須です。
法令で定められた自主点検を怠った場合は50万円以下の罰金を課せられることがあります。必ず実施するようにしてください。
定期的にメンテナンスを実施することは、安全上必須のことです。しかし、日々ホイストクレーンを稼働させている中、通常業務の合間を縫って徹底的な点検を行うことは簡単ではありません。法令に基づいた点検を確実に行うためにも、外部の専門業者に点検を依頼することも検討してみてください。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたホイストクレーン以外にも、コンプレッサや油圧ポンプ・油圧機器などのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。