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重い荷物の上げ下げや運搬に欠かせないホイストクレーン。適切に使用していても、長年使っていると調子が悪いときや故障しているのではないかと不安になるときがあるものです。今回のコラムでは、ホイストクレーンのモーターに現れる故障の兆候とその原因を紹介します。
ホイストクレーンはホイストとクレーンを組み合わせた装置です。
ホイストは、ロープやチェーンを巻き付けたホイールによって荷物の昇降を行う装置で、クレーンは動力によって荷物を吊り上げて水平運搬を行う装置です。
ホイストクレーンはロープやチェーンの巻き上げ装置として電気ホイストが用いられているクレーンを指し、重量のある荷物を円滑に運搬するために、主に工場や建設現場などで使用されています。
ホイストクレーンには電動ホイスト、エアホイスト、レバーホイスト、電池式ホイストがありますが、多くの現場で採用されているのは電動ホイストです。電動ホイストは電動モーターを動力源とするホイストクレーンです。
電動モーターを動力源とするホイストクレーンのモーターが故障する兆候には以下のようなものがあります。
普段は聞こえない音がするという異音が発生している状態は、モーターに何らかの異常が発生している可能性があります。負荷がかかりすぎていないか、電圧が低すぎないかを確認してください。
そもそもモーターが作動しない状態は、モーターの故障が疑われます。また、荷重に対してのパワーが不足しており、負荷が高すぎる状態である可能性もあります。
発熱や焦げたような異臭は、典型的な故障の兆候です。故障はある日突然起きるものですので、「昨日までは問題なく使用できた」などと思わず、異臭の発生源を確認しましょう。
モーターが故障する原因にはある程度パターンがあります。
モーターの性能以上のものを吊り下げようとすると、過負荷の状態となり、発熱し、モーターコイルが焼けてしまうことがあります。
ベアリングとは、摩擦をゼロに近づけ、スムーズに回転できるようにする部品のことです。ベアリングも摩耗・劣化しますので、長期間使用しているとベアリングが正常に機能しなくなり、騒音や異常な温度上昇が起こる、軸の触れ回りの振動が大きくなるなどの現象が起きます。
モーターは電動ですので、通電環境にトラブルが起きれば正常に動作しません。
ホイストクレーンのモーターを長期間使用するためには、以下の点に注意して使用することが重要です。
モーターは通常に稼働していても熱を帯びます。負荷がかかりすぎると熱を帯び、寿命を縮めることになるので、冷却ファンや通気口を清掃し、過熱の状態にならないようにするとよいでしょう。
ベアリングが摩耗すると、軸が正常に回転せず、過負荷・過熱につながります。定期的にベアリングを交換することが必要です。
サージ保護装置とは、スイッチの切り替えや落雷によって起きる過電圧や過電流から、電気機器やシステムを保護する装置のことです。モーターに大きな負荷がかからないよう、電源環境の安定化やサージ保護装置の導入を検討してください。
日々の工場稼働と並行して、メンテナンスを的確に行うことは簡単ではありません。ぜひプロへの委託も検討してください。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場のさまざまな問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたホイストクレーン以外にも、工場関連機器のお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、ぜひ一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。