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レーザー加工機の運転に関する困りごととその対策方法は?

レーザー加工機の運転に関する困りごととその対策方法は?
投稿日:2021年10月20日

今回は、レーザー加工機の運転に関する困りごと例とその対策方法についてまとめました!
レーザー加工機をご使用中の方や使用する中で不具合に悩まされている方はぜひご覧ください。

目次

1.レーザー加工機の運転に関する困りごとと対策方法
 ・ガス周り
 ・周辺部品の消耗
 ・加工精度の不良
 ・夜間運転時のトラブル
2.富士酸素工業がお手伝いできる対策内容
3.事例
4.おわりに

1.レーザー加工機の運転に関する困りごとと対策方法

ガス周り

まず、レーザー加工機運転時のトラブルは、ガス周りに多く見られます。
その中でも、特に多いガス周りのトラブルは以下の3つになります。
皆様の中にもガス周りで以下のようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

①ガスがなくなる
②圧力調整器の不具合
③配管ガス漏れの発生

では、それぞれのトラブルの原因と対策方法について解説していきます。

①ガスがなくなる

予定数量よりもガスの消費量が多いことや生産計画とのズレが生じたことから、ガスがなくなることが考えられます。
そのため、ガスがなくなった際の対策方法としては、業者にガスを発注する、もしくはガス供給設備を増設するなどが挙げられます。
ガス供給設備を増設する際、シリンダーボンベやガスボンベの場合は比較的容易に行えますが、ローリーでの供給の場合はかなり大がかりな工事になってしまうことには注意が必要です。
対策として、義務化されている日常点検にて、アシストガスとレーザーガスの残量を目視でチェックすることで、防止することができます。

②圧力調整機の不具合

圧力調整器の不具合が発生する要因の1つは経年劣化です。
経年劣化については、屋内・屋外などの状況により変化します。
また、海岸沿いの場合は塩害被害により、劣化の進行が早い傾向にあります。
経年劣化の目安としては3~5年になります。

また、圧力調整器のキャパシティを上回る圧力を加えた場合にも、安全弁の破裂等の不具合が考えられます。
その要因としては、より肉厚のある製品への変更等により、高負荷な圧力が必要になり、キャパシティを上回る圧力まで上げてしまうことや、アシストガス圧が下がると切断能力も下がると勘違いして規定以上の圧力の設定してしまうことが考えられます。

高負荷な圧力が必要になった場合は、むりやり圧力を上げず、圧力調整器やボンベガスやタンク、エアを高圧力のものに変更し、ブースター(昇圧)を設置する必要があります。
また、製品の肉厚については、導入時の事前の打合せですり合わせ、圧力の上限を設定する必要があります。
対策として、義務となっている日常点検にて、圧力調整器のレーザーガス、アシストガス、エアの圧力をチェックし、不備があれば交換することをおすすめします。

③配管ガス漏れの発生

配管の老朽化などにより、配管からのガス漏れが考えられます。
対策として、施工時の自主検査で配管に亀裂や欠落がないかを調査します。
配管距離が離れている場合、必然的に漏れが多いため、リークの調査を実施します。また、使用設備の方でも、残圧警報でチェックします。

ノズルの消耗

他にもよくあるトラブルとして、ノズルの消耗があります。
ノズルとはレーザーの出口であり、消耗品です。
加工品質が落ちてきた場合はノズルの交換を行って下さい。
早ければ半日、長ければ1か月で交換が必要になります。 

  

加工精度の不良

加工精度の不良が発生する原因はひとえに、オペレーターの技術力不足です。
電気出力やガス流量、圧力、ノズルと板の距離、ヘッドの移動速度、切断速度などの調整における技術不足や、切りにくい素材・切りやすい素材への対応力不足が考えられます。

夜間運転時のトラブル

夜間運転時に切断した材料とノズルのヘッドが干渉して壊れることがあります。
レーザー加工機における加工では、大きな板から切り出していきます。
そこで、切り抜いた製品がまっすぐ下に落ちずに斜めに落ちてしまった際、
片側が原材料より上に上がり、通常ノズルと材料のmm単位の隙間がズレてぶつかってしまいます。
ビームをだしている間のレーザー加工機はレーザーの速度も早いため、ヘッドが曲がってしまうのです。
こちらのトラブルについては、基本的にはメーカー修理となります。

2.富士酸素工業がお手伝いできる対策内容

弊社ではレーザー加工機のトラブル対策をサポートしております。
ガス周りのトラブルについては、基本的にワンストップで対応可能です。
ガスの供給やガス供給設備の増設、圧力調整器の交換、配管のガス漏れ調査など、すべて弊社の方で対応可能です。
また、ノズルの消耗について、ノズルの供給を行っております。(交換はお客様での対応となります)

3.事例

上述の通り、弊社ではレーザー加工機のトラブル対策をワンストップでサポートしており、数々の対策実績がございます。
今回は、アシスト用酸素ガスの純度低下を改善した事例をご紹介致します。
レーザー加工機で、鉄やステンレス等の複数の材料を切断しているお客様からのご相談でした。
アシスト用酸素ガスの純度低下を知らせるアラームが何度も発生しており、原因を調査して欲しいとご依頼頂きました。

調査を行った結果、装置本体では不具合が見られませんでしたが、
酸素に比べて窒素の圧力は2~3倍高いため、共通ラインでの逆流が原因として考えられました。

対策として、装置本体よりも上流の酸素供給ラインに逆支弁を設け、ガスの逆流を防止しました。
上記写真の左より窒素、高圧窒素、酸素、空気のライン端末になります。
こちらの酸素ラインの出口に逆支弁を設け、高圧窒素が酸素ラインに逆流しないようにしました。

4.おわりに

いかがでしょうか。
レーザー加工機を運転する上で様々なトラブルがつきものです。
安心してレーザー加工機をご使用頂くにあたって、ガス残量のチェックなどの義務化されている日常点検を怠らずにご使用ください。
また、もしトラブルが発生した際は、ぜひお気軽に弊社へお問い合わせください。
お客様のトラブルに対して、誠心誠意ワンストップで対応させて頂きます。
弊社へのお問い合わせ窓口はコチラになります。