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今から始めよう!コンプレッサの省エネ対策

今から始めよう!コンプレッサの省エネ対策
投稿日:2024年10月23日

コンプレッサとは

コンプレッサとは、空気やガスなどの気体を圧縮して高圧状態にする機械です。さまざまな工場や施設などで、コンプレッサが生み出す圧縮空気を、機器を動かすための動力源として使用しています。しかし、コンプレッサの用途は機器の動力源だけではありません。製造工程で清掃や冷却、塗装などに用いるなど、コンプレッサの用途は多岐にわたるものです。

省エネはコンプレッサの使用上重要な課題

コンプレッサを使用するうえで消費電力は重要な問題です。なぜなら、工場の電力使用量のうち、コンプレッサは20〜30%を占めているからです。特にエアーブローはエアーの使用量が多いため、どうやって消費電力を減らすかが大きな課題だと言えます。

しかし、コンプレッサの省エネ対策は、決して難しいものではありません。誰でも簡単に、日常的に実践できる方法がたくさんあります。これらの取り組みを続けることで、コンプレッサの性能や効率が向上するのはもちろん、エアーの品質や安全性も高めることが可能です。

コンプレッサの省エネ対策とは

コンプレッサの省エネ対策とは具体的にどのようにすればよいのでしょうか。ここでは基本的な方法を3つ挙げて紹介します。

①コンプレッサ元圧力を下げる

元圧力とは、コンプレッサが空気を圧縮するときにかける圧力のことです。元圧力が高すぎると、コンプレッサにより負荷がかかるため、消費電力も増加することになります。適切な元圧力に設定するためには、実際に必要な空気圧に合わせてコンプレッサの元圧力を調整することが大切です。例えば、元圧力を0.7MPaから0.6MPaに調整した場合、電力消費(kW)が約7%削減されることが報告されています。

もし元圧力の調整が難しいようなら、レギュレーターを使用するとよいでしょう。レギュレーターを使うことで、コンプレッサから供給される圧縮空気の圧力を自由に調節できるようになります。コンプレッサの負荷が軽減されれば、結果として電力消費を抑えることにもつながるというわけです。

②エア漏れの防止

コンプレッサにおけるエア漏れとは、圧縮空気がシステム内のどこかで意図せず漏れ出している状態です。エア漏れが発生すると、コンプレッサは必要以上に稼働しなければなりません。その結果、消費電力は増加します。
例えば3mm程度の穴によるエア漏れによって無駄に消費する電気代は、配管内温度が45℃、圧力が0.7 MPa、1日の稼働量が8時間、年間稼働日が250日だと仮定すると、年間で20万円以上になります。

コンプレッサのエア漏れを防ぐためには、定期的な点検・メンテナンスをすることが重要です。コンプレッサの日常点検を行うべき箇所については、別記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひそちらをご覧ください。

③コンプレッサの吸気温度を下げる

コンプレッサは空気を圧縮して使用するため、吸引する空気の温度も消費電力量に大きく影響します。空気は温度が高いほど体積が大きくなるためです。体積が大きくなるほど、圧縮に要する電力が増えます。
環境省の「CO2削減対策の効果算定ガイドライン」の記載によると、吸気温度を35°Cから25℃にするだけで、約5.4%の節電になるとのことです。工場内の空調環境を25℃程度に設定することは、コンプレッサの消費電力を軽減するだけでなく、そこで働く社員の方々の労働環境を改善することにもつながります。一石二鳥の取り組みになるでしょう。

給気温度の高さは、コンプレッサの故障が夏に多い原因の1つでもあります。夏にコンプレッサの故障が多いことについては、静岡スマートファクトリー内の別の記事で詳しい理由をご紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

コンプレッサの点検・修理・メンテナンスならお任せください!

コンプレッサは工場の消費電力の多くを占めています。工場の省エネを考えるときは、まずコンプレッサの使用環境を見直してみるとよいでしょう。また、消費電力の観点だけでなく、コンプレッサを長く使うためには、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。点検項目が多く煩雑なコンプレッサの定期点検・メンテナンスは、当社のような専門家にお任せください。

今回は、コンプレッサの省エネ対策についてご紹介しました。

静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたコンプレッサ以外にも、油圧ポンプ・油圧機器やホイストクレーンなどのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。