ホイストクレーンはロープやチェーンの巻き上げ装置として電気ホイストが用いられているクレーンのことで、重量のある荷物を円滑に運搬するために、主に工場や建設現場などで使用されています。
ロープやチェーンを巻き付けたホイールによって荷物の昇降を行う装置であるホイストと、動力によって荷物を吊り上げて水平運搬を行う装置であるクレーンを組み合わせたものがホイストクレーンです。
ホイストクレーンは荷物の昇降や運搬を行う設備で、使用に伴って部品の摩耗や破損の可能性があります。重い荷物を運ぶものなので、故障をして予想外の動きをしたり、動きが制御できなくなったりすれば、重大な事故につながりかねません。事故を未然に防ぐためにも自主的に点検を行うことが必須です。
また、ホイストクレーンには故障の前兆として表れやすい症状があります。下の記事に詳しくまとめておりますので併せてご覧ください。
クレーンは、労働安全衛生法と、同法に基づくクレーン等安全規則により、設置後の定期自主検査が義務付けられています。点検は作業前に毎日行うもの、ひと月に1回行うもの、1年に1回行うものの3種類があります。また、実施した検査の結果の記録は、作業前に毎日行うものを除き、3年間の保管が必要です。
ちなみに、法令で定められた自主点検を怠った場合は50万円以下の罰金を課せられることがあります。
定期自主点検が義務付けられているのは、吊り下げ荷重が0.5トン以上のすべてのクレーンです。基本的には、ほとんどのクレーンが該当すると考えてよいでしょう。
<日常点検の項目>クレーン等安全規則第36条より
・巻過防止装置、ブレーキ、クラッチ及びコントローラーの機能
・ランウェイの上及びトロリーが横行するレールの状態
・ワイヤーロープが通っている箇所の状態
<月次点検の項目>クレーン等安全規則第35条より
・巻過防止装置その他の安全装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ及びクラッチの異常の有無
・ワイヤーロープ及びつりチェーンの損傷の有無
・フック、グラブバケツト等のつり具の損傷の有無
・配線、集電装置、配電盤、開閉器及びコントローラーの異常の有無
<年次点検の項目>クレーン等安全規則第34条より
・つり具、及び基礎の異常の有無についての点検
・荷重試験
また、これらの点検に加え、屋外に設置しているクレーンについては、暴風後等の点検義務があります。
瞬間風速が毎秒30メートルをこえる風が吹いた後に作業を行うとき、またはクレーンを用いて中震以上の震度の地震の後に作業を行なうときは、あらかじめ、クレーンの各部分の異常の有無について点検を行なわなければならないとされています。
毎日の点検に加えて、月に1回、年に1回の点検を実施することは、安全上必須のことです。しかし、日々ホイストクレーンを稼働させている中、通常業務の合間を縫って徹底的な点検を行うことは簡単ではありません。法令に基づいた点検を行うためにも、外部の専門業者に点検を依頼することも検討してみてください。
静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社では、静岡県を中心に工場の様々な問題についてご相談を承っています。今回ご紹介しましたホイストクレーン以外にも、コンプレッサや油圧ポンプ・油圧機器などのお悩みもお伺いいたします。静岡県内の工場のことで何かお困りなら、是非一度静岡スマートファクトリー.comを運営する富士酸素工業株式会社まで、お気軽にご相談ください。