油圧ポンプは、産業用機械や建設用の什器、農業機械、フォークリフトなどの大きな力が求められるシーンに欠かせないものです。今回のコラムでは、油圧ポンプを使用するにあたって、故障しやすいパーツとその原因を解説します。
油圧ポンプは油圧の力を利用した装置の一種です。油圧とは、油にかける圧力のことをいい、油圧ポンプは、油に圧力をかけ、吸入した油を吐出することでエネルギーを発生させる装置です。エンジンやモーターから発生する運動エネルギーを、流体エネルギーに変換する役割を持ち、油圧ポンプがあることで、エンジンやモーターなどからかけた元々の力よりも大きなエネルギーが生み出せる仕組みになっています。
サビにくく、潤滑性があるなどの理由から、大きな圧力がかけやすく、水圧や空気圧を利用したポンプよりも大きな力が生み出せる点に特徴があります。
故障しやすい油圧ポンプのパーツは以下の4つです。
ベアリングは機械の中の軸をなめらかに回転させる部品です。軸の回転を受ける部品であることから、軸受(じくうけ)とも呼ばれます。ベアリングは軸の摩擦をなくし、滑らかに回転させる役割があります。摩擦が大きいと回転には大きなエネルギーが必要となるので、ベアリングがあることで省エネルギーで効率的に機械の軸を回転させられます。
油圧ポンプにおけるバルブプレートは油の流れに合わせて閉じたり開いたりする弁の役割を持つパーツです。
油圧ポンプは、ピストンの往復運動によって油を吸込んだり吐出したりします。非常に重要なパーツです。
シリンダーブロックはピストンの動力を伝えるパーツで、1つまたは複数のピストンが収まる箇所です。シリンダーブロックが1回転する間に、各ピストンが油の吸込みと吐出を行います。
それぞれのピストンがシリンダーブロックから引き出される際に油を吸込み、押し込まれる際に油を送り(吐出)ます。
故障はある日突然起こるケースは実はほとんどなく、ある程度の期間を経て、少しずつ不調をきたし、それがピークに達することで発生することが多くあります。
以下に、パーツが故障する原因を紹介します。
さまざまな部品の集合体である油圧ポンプは、稼働時には多くの部品が動いています。頑丈に作られている油圧ポンプも、長年の使用や、長時間にわたす使用で部品が摩耗していきます。
油圧ポンプ内部の油も少しずつ劣化していきます。経年劣化だけでなく、空気の混入による劣化もあります。油が劣化すると潤滑力が失われ、摩擦が大きくなるなどして他の部品の劣化につながります。
また、スラッジといって、油が変質して半固体状になったものが、各パーツにくっつき、ポンプの稼働効率を下げてしまうこともあります。
何かのタイミングで異物が油の中に混入すると、それがパーツを傷つけてしまうことがあります。
1日のうちに何時間も連続して油圧ポンプを稼働させ続けると、ポンプへの負荷が大きくなりすぎて、故障してしまうことがあります。
油圧ポンプを長く使用するには定期的な点検とメンテナンスが必要です。点検を行うことで、不備を発見できれば、故障する前の対策となります。
徹底的なメンテナンスを行うのは自社では難しいこともあるでしょう。専門企業に外注して点検やメンテナンスをしてもらうことも、ぜひ検討してください。
今回のコラムでは油圧ポンプのよく故障するパーツをテーマに、原因を紹介しました。
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