防災力アップのポイント!ガスコンロと携帯カセットコンロの活用法
この記事は、地域密着で100年以上、ガスやリフォームに関することなら何でもお任せの富士酸素工業株式会社が監修するくらしのお役立ち情報です。
「ガスはライフラインの中で最も災害に弱い」と思い込んでいる人はいませんか?実は、復旧まで長い時間がかかるのは都市ガスだけで、プロパンガスは復旧までそれほど時間がかかりません。カセットボンベを利用する携帯カセットコンロは屋外でも大活躍する優れものです。そこで、今回は防災力アップのポイントとして、ガスコンロと携帯カセットコンロの活用法について解説します。我が家の防災力をアップしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ガスコンロvs携帯カセットコンロそれぞれの特徴
ガスコンロと携帯カセットコンロのどちらも、ガスを熱源とする調理器具という点は同じですが、明確な違いがあります。それぞれどのような特徴があるのか、確認しておきましょう。
ガスコンロの特徴
ガスコンロには以下のような特徴があります。
選択肢が豊富
家庭用のガスコンロだけでも、1口~4口までさまざまな口数のコンロがあります。また、トッププレートの材質もホーローやガラストップなどの種類があり、色も豊富です。コンロ台に置いて使用する据置コンロと、システムキッチンに組み込まれているビルトインコンロがあり、ビルトインコンロには、下にオーブンが付いているものもあります。
安全機能が搭載されている
調理油過熱防止装置、立消え安全装置、消し忘れ消火、焦げ付き自動消火などの機能は標準装備としているものがほとんどです。他にも、鍋が乗っていないことを検知して消火する機能や、強い揺れを感じたら消火する機能、子供のいたずらや不注意での点火を防止するロック機能などを搭載したものもあります。
便利機能を搭載したものもある
火力や調理時間を自動調節するオート機能や、設定温度になるように火力を自動調節する温度キープ機能、お湯が沸騰したら自動消火する機能、設定した時間になったら自動で消火するタイマー機能などを搭載したものもあります。
停電時でも使える
ガスコンロには電気は使われていません。停電時でも、調理可能です。ただし、低園児は換気扇が使えないので、窓を開けるなどして換気する必要があります。
ほとんどの調理器具を使える
ガスコンロは調理器具の素材を問いません。土鍋もホーロー鍋も、鉄製のフライパンも、アルミ製、ガラス製の鍋も使うことができます。なべ底の形状が平らでなくてもかまいません。隣の五徳にかかるくらい鍋底が広くても、ボンベがすぐ下にないので、安全に調理することができます。
強い火力であおり炒めやあぶりなどもできる
強い火力を活かして、フライパンや中華鍋を五徳から離してあおり炒めをしたり、直火に食材を近づけてあぶったりすることもできます。
複数の口で同時に強火調理できる
カセットコンロは1口なのに対して、ガスコンロは2口以上あるものが多く、複数の口で同時に強火調理をすることもできます。
燃料切れを心配せずに使える
都市ガスの場合はもちろん、プロパンガスの場合もガスが遮断されない限り、燃料切れを心配する必要はありません。プロパンガスのボンベは、ガス会社が遠隔で残量をチェックしており、中身が無くなる前に交換しています。
携帯カセットコンロの特徴
携帯カセットコンロには以下のような特徴があります。
配管・配線がいらない
ガスコンロ、IHクッキングヒーターのいずれも使用するためには配管、配線が必要です。しかし、携帯カセットコンロは、本体にカセットボンベをセットすれば使えます。配管・配線は不要です。
使う場所を選ばない
ダイニングでもリビングでも使えます。コンセントが近くになくても大丈夫です。屋外でも使うことができるので、災害時も重宝します。
持ち運びやすい
コンパクトで軽い携帯カセットコンロは、持ち運びが簡単です。好きな場所に持って行って調理や湯沸かしに使えます。軽くてサイズもコンパクトなので、場所も取りません。防災リュックの中にカセットコンロとボンベを入れておくということも可能です。
停電しても使える
カセットボンベさえ用意しておけば、電気を使わずに火を起こせます。
ガスコンロと携帯カセットコンロの上手な選び方
ガスコンロや携帯カセットコンロはどのような点に注意して選べばよいのでしょうか。ここでは、それぞれ選ぶときに押さえるべきポイントについて解説します。
ガスコンロを選ぶときのポイント
ガスコンロは設置場所の広さや形状によって選べるものが限定されます。まず、ビルトインコンロか据置コンロかを選びましょう。次に、設置サイズを確認します。標準サイズは幅60cm、コンパクトサイズは56cmです。次に、ガスの種類を確認しましょう。都市ガス用とプロパンガス用があります。
コンロの口数をいくつにするかも考えましょう。2~4口の場合は、強火力を左にするか、右にするかも選ぶ必要があります。壁から遠い方に強火力が来るように選びましょう。
それ以外にも天板の種類をホーローにするか、ガラストップにするか、ガラストップなら何色にするか、スイッチは摘まみをひねる形にするか、ボタンを押す形にするかなど、基本的な部分でも選びどころはたくさんあります。お手入れのしやすさを重視するのであれば、五徳周りの素材にも注目しましょう。
コンロの機能、安全機能をどこまで重視するかによっても、選ぶコンロは変わってくるはずです。特に機能の差が大きいのはグリルになります。水あり、水なし、片面焼き、両面焼き、グリルの横幅など選択の幅が広いのが特徴です。魚を焼く頻度が高いのであれば、自動で焼き具合を調節できるオートグリルの機能付きがよいかもしれません。
携帯カセットコンロを選ぶときのポイント
カセットコンロを選ぶときは、まず用途を考えましょう。持ち運びやすいサイズや軽さを重視すると、火力は低めになりがちです。大人数で使うことを考えると、鍋のサイズが大きくなるため、コンロもそれなりの大きさが必要になります。耐荷重もチェックする必要があるでしょう。屋外で使うことをメインで考えるなら、風に強い風防ユニット搭載モデルもおすすめです。どのような使い方をするかを考えることで、ある程度選択肢を絞ることができるでしょう。
サイズも考える必要があります。携帯カセットコンロはボンベの大きさは決まっていますが、コンロ自体の大きさはさまざまです。災害時の備えとして置いておくのであれば、収納スペースも意識して選びましょう。
後は火力もポイントになるかもしれません。家庭用のガスコンロと同等の強火調理をするのであれば2300kcal必要です。しかし、災害時にお湯を沸かしたり簡単な調理をしたりする程度ならそこまでのハイパワーは必要ありません。強い火力が出せるものほどガスボンベの減りが早く、ガスの残量が少なくなると安定した火力を出せなくなるという難点があるので、災害時用というのであれば、あまりハイパワーを求めない方がよいでしょう。
とは言っても、火力が弱すぎるとお湯を沸かすのに時間がかかります。強い火力ですぐに沸かした方が、ガスの消費量が少なくなるので、極端に火力が弱いものは避けましょう。
停電時でも使える!ガスコンロの災害時活用術
特徴のところでも触れましたが、ガスコンロは停電していてもガスさえ通っていれば使えます。ガスコンロの点火には電池が使われているからです。携帯カセットコンロの点火も電気を使いません。「停電時にはガスも止まってガスコンロが使えないのでは?」と不安に思っている人は、携帯カセットコンロも用意しておくとよいでしょう。停電してもどちらかは使えます。
ガスコンロのよいところは、どんな鍋を使ってでもお湯を沸かせる点です。お湯を沸かすことができれば、レトルト食品を温めるのにも、ご飯を炊くのにも、麺や野菜をゆでるのにも使えます。強い火力ですぐにお湯が沸けば、調理以外にも使いやすくなるでしょう。お湯はお茶やコーヒーなど飲み物にもなりますし、赤ちゃんの哺乳瓶を煮沸消毒にも使えます。残ったお湯にタオルを浸せば、身体を拭くためのホットタオル作りも簡単です。
カセットボンベの安全な保管方法と使用上の注意点
カセットボンベを安全に保管するためには、以下の点に注意しましょう。
- 直射日光に当てない
- 火気が近くにあるところには置かない
- 40℃以下で湿気の少ない場所に保管する
- 気温差の大きい場所には置かない
- 落下の危険があるところや高所、子供の手が届きやすいところには置かない
- 冷蔵庫の中には入れない
- 携帯カセットコンロなどの機器に付けたままにしない
ガスボンベは使うときにも注意が必要です。以下の点に注意しましょう。
- 機器に適合したボンベを使用する
- 正しく装着する
- ストーブなど火気の近くで使用しない
- カーテンや家具、壁など燃えやすいものからは15cm以上離して使用する
- 古いボンベ、歪みやサビが目立つボンベは使わない
- ボンベの上を覆うような大きい鍋は使わない
- ガスを再充填しない
- 2台以上並べて使用しない
災害時の調理:ガス器具を使った簡単レシピ
災害時の調理には、耐熱ポリ袋を用意しておくと便利です。鍋でお湯を沸かしてなべ底にお皿を1枚敷いたうえに材料を入れて空気を抜いた耐熱ポリ袋を入れて湯煎調理すると、洗い物を減らすことができ、お湯も使いまわしできます。
たとえば、常温保存できるジャガイモや玉ネギ、にんじんなどを細かく刻み、缶詰のツナやサバ、野菜ジュースなどと一緒に耐熱ポリ袋に入れて15~20分くらい弱火で湯煎調理すれば、具だくさんスープを作ることも可能です。カレー粉を入れればカレーもできます。
冷蔵庫の中にたくさん物が入った状態で停電したときなどは、日持ちしない物から先に使うようにして、冷蔵庫の開閉をできるだけ少なくすることが大事です。鍋料理のような形にすれば、たいていの物を具材にできます。1人分ずつ耐熱ポリ袋に入れて湯煎調理すれば、できたものを袋ごとお皿に乗せて食べればよいので、洗い物も少なくなって一石二鳥です。
災害時調理のポイントは、材料を細かくして火の通りをよくすることと、洗い物をできるだけ少なくすること。湯煎調理は使ったお湯を食器洗い用に使いまわすことができてとても便利です。
ガスコンロのメンテナンス:長期保存と定期点検のコツ
油跳ねや吹きこぼれなどちょっとした汚れを放置すると、取れにくくなります。使用後はすぐに汚れを拭き取るようにしましょう。簡単な掃除を心掛けるだけで、長くよい態を保てます。汚れを落とす際には、汚れの付いた箇所、材質に合わせた道具を使うことが大事です。細かいところを手入れする際には、歯ブラシや竹串、割りばし布を巻いたお手入れ棒などが役立ちます。広い面は、柔らかい布やスポンジ、メラミンスポンジを使って掃除します。
天板の掃除をする際には、天板の素材に遭ったクリーナーを使いましょう。五徳やグリル、排気カバーの掃除は、やけどしないように、器具が冷めてからにします。ガスコンロの掃除に使う洗剤は中性洗剤です。天板にはクリームクレンザーも使えますが、あまり頻繁には使わない方がよいでしょう。たわしや固いスポンジたわし、強い酸やアルカリを使ってはいけません。
自然災害に強いプロパンガスとカセットボンベを上手に活用しよう
災害時にガスを使えると、不安な気持ちが和らぎます。自然災害でも復旧が早いプロパンガス、場所を選ばず使える携帯カセットコンロを上手に活用しましょう。
いざというときにきちんと使えるように、ガス機器の点検やメンテナンスをしておくと安心です。富士市及び富士宮市にお住いの方は、富士酸素工業株式会社にご相談ください。