知って安心!家庭用ガス給湯器の防災対策

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近年、日本各地で規模の大きい地震が発生しています。地球温暖化の影響も大きく、地震以外にもさまざまな災害に備える必要がある状態です。しかし、一般家庭では、食料の備蓄や避難生活への備えをしているケースが多く、災害に伴う被害を小さくするための防災対策はあまりできていないのではないでしょうか。そこで、この記事では、家庭用ガス給湯器の防災対策について解説します。我が家の防災を見直したいと思っている方はぜひ参考にしてください。

 

ガス給湯器の地震対策

2011年の東日本大震災では、ガス給湯器が転倒したり、配管が外れたりする事象が多数発生しました。それらの教訓を活かし、今では次のような地震対策が取られています。

ガス給湯器の転倒防止

2013年4月1日以降、ガス給湯器の固定方法が変更されました。給湯器の転倒や移動によって被害が拡大するのを防ぐためです。

給湯器には据置型と壁掛け型がありますが、そのうち据置型については、底部を固定するものと上部を固定するものそれぞれ、固定方法が細かく決まっています。また、据置型も壁掛け型も、設置階数や給湯器の質量に応じて使用するアンカーの強度や本数が指定されています。そのため、新しいガス給湯器は、この基準に合わせて設置されているはずです。

ただし、いくら固定方法や使用するアンカーの強度や本数が適正でも、基礎となる床面や壁面が脆くなっていたのでは、意味がありません。定期的にガス給湯器の固定状況や床面・壁面の状態を確認することが必要です。

配管の柔軟性確保

ガス給湯器の配管には、可とう管や金属フレキシブルホースなど柔軟性のある管が使われています。曲げやすく狭い場所にも設置しやすいからです。しかし、屋外の過酷な環境に長期間晒されていると、柔軟性が失われ、接続部が外れやすくなったり、管本体にひびが入りやすくなったりします。ガス漏れや水漏れの発生を未然に防ぐためには、必要な柔軟性が確保できているか、定期的なチェックが必要です。

 

ガス給湯器の停電対策

停電したら、ガス給湯器は基本的に使えないというのをご存じでしょうか。「ガスでお湯を沸かすのだから、水が来ていれば使えるはず」と思っていたのであれば要注意です。ガス給湯器の多くは、ユニットの運転に電力会社の商用電源を使用しています。そのようなガス給湯器は、停電している間は運転できなくなるので、お湯を使うことができません。

ただし、自立運転機能付きのガス給湯器なら、停電時には電源ユニットに内蔵されているバックアップバッテリーから電気の供給が可能です。バックアップバッテリー内蔵の電源ユニットに対応するエコジョーズとの組み合わせが必須ですが、このシステムを導入すれば、停電時でも4人家族が3日間、洗面やシャワーでお湯を使うことができます。電源ユニット本体に100Vコンセントが装備されているので、停電時には、携帯電話の充電にも重宝するでしょう。

 

ガス給湯器の凍結防止策

夜間に冷え込むときには、本体と配管の凍結に注意する必要があります。とはいえ、ガス給湯器には凍結予防ヒーターや凍結防止運転機能などの凍結防止機能が搭載されているため、本体内部が凍結する心配はあまりありません。凍結の可能性が高いのは、屋外に露出している給水、給湯、追い炊きふろ等の配管です。

配管の凍結を防止するためには、まず、ガス給湯器のリモコンスイッチをオフにします。リモコンがない機種の場合は、ガス栓を閉じてください。次にお湯の出る蛇口から水を出し続けます。量は、1分間に400mlが目安です。蛇口から出る水の幅を約4mmにすれば、だいたいその量になります。

リモコンスイッチを切ったり、ガス栓を閉めたりするときに、電源プラグも一緒に抜いてしまわないように注意しましょう。電源プラグを抜いてしまうと、凍結予防ヒーターが作動しません。長期間不在にするために電源プラグを抜く場合は、取り扱い説明書に書かれている方法で、給湯器内部の水を抜いておくことで凍結防止できます。

 

安全に使用再開するための注意点

ガス給湯器には震度5以上の揺れを感じたときにはガスの供給を止める安全装置が付いています。自動でガスの供給を止めてくれるので安心ですが、揺れが収まってすぐに、使用を再開しようとして、不用意にガスメーターを復帰させるのは危険です。ガス給湯器がストップした原因はほかにもあるかもしれません。二次災害を防ぐために、しっかり安全の確保をしましょう。

1.      ガス給湯器の周辺や家の中がガス臭くないか確認

大きな揺れでガスの配管が外れたり破損していたりする可能性があります。ガス臭いと感じたら、直ちに窓や扉を開けて換気しなければなりません。ただし、換気扇のスイッチを入れると火花が散り、爆発や引火を引き起こす恐れがあります。電源を入れないのはもちろん、電源プラグの抜き差しもしないように注意しましょう。

2.      地域のライフラインの状況を確認

大きな揺れで、ただ安全装置が働いただけではない可能性もあります。給湯器の再稼働にはガスだけでなく電気や水も必要です。ガスはもちろん、電気や水道の供給状況についても確認しましょう。

3.      安全が確認できた時点でガスメーターを復帰させる

安全装置が働いてガスが遮断されている場合は、ガスメーターの設定を解除します。ただし、少しでもガス臭いと感じた場合は、自分では復帰操作をおこなわず 、ガス会社に連絡してください。

解除の手順としては、まずはすべてのガス栓を閉めます。その後、ガスメーターの復帰ボタンを押してください。黒いキャップが付いているタイプのメーターは、キャップを外してから押します。ランプが付いているタイプはしばらくすると点滅が消え、液晶画面のタイプはエラー表示が消えるので、それを確認した後でガス栓を開きましょう。

4.      リモコンや本体を再設定する

取扱説明書の手順に沿って、リモコンや本体のリセットをします。一旦電源を切って、入れ直すとエラー表示が消えるはずですが、もし消えない場合は故障が発生しているかもしれません。使用を再開せずに、ガス会社に連絡して点検してもらいましょう。

 

最新技術を取り入れた災害に強いガス給湯器とは?

最新モデルのエネファームには、災害が発生して停電したとしても、そのまま発電を続ける「停電時発電継続機能」が搭載されています。発電中に停電が発生したときには、自動で停電発電に切り替わり、停電中も電気とお湯を供給できるシステムです。

停電中も、停電時専用コンセントからであれば最大700Wの電気を使えます。冷蔵庫や携帯電話の充電などに使用する、最低限の電源を確保することが可能です。停電時発電は、停電前の発電開始から起算して最大8日間(192時間)継続します。

エネファームが発電していないときに停電が発生した場合でも心配いりません。携帯型の蓄電池や発電機、電気自動車などの外部電源と接続して、エネファームの発電を再開させることが可能です。ただし、起動から発電開始までは1時間以上の時間がかかります。

 

災害に備えてガス給湯器の点検をしておこう

災害はいつ発生するかわかりません。思いついた時に対策をしておくことをおすすめします。少なくとも、ガス給湯器が安全に設置されているか、確認してみてはいかがでしょうか。最寄りのガス会社に一度相談してみてください。富士市及び富士宮市にお住まいの方は富士酸素工業株式会社がお手伝いします。