小さなオフィスの防災:コンパクトな家庭用防災グッズ選び

防災対策は必要と思いつつ、小さなオフィスの場合、「人手を割けない」「費用をかけられない」などの理由から先延ばしにしていることが多いのではないでしょうか。しかし、災害は明日発生する可能性もあります。先延ばしにするのはやめて、簡単なことからでも防災に取り組みましょう。この記事では、コンパクトな家庭用防災グッズをオフィスで活かす方法について解説します。

1.      小規模オフィスの防災における課題

小規模オフィスの場合、災害対策をしたくても、人的な余裕がなく、時間も取れないという声がよく聞かれます。また、資金やノウハウが不足していて、十分な対策ができないという悩みもあるようです。

特に、上層部の防災意識が不足している企業や、防災意識はあっても防災に関する情報や知識が不足している企業では、当然のことながら、社員に対して十分な防災教育ができません。建物の耐震補強やオフィス家具の転倒防止、防災用品の備蓄などの実施率も低いことが多く、防災に関する課題が山積みの状態です。

2.      省スペースで多機能な家庭用防災グッズ

小規模オフィスでは、いくら災害への備えと言っても備蓄に多くのスペースを割くわけにはいきません。多くの機能を持ち合わせたコンパクトな防災グッズを置いておくのがおすすめです。省スペースで多機能な防災グッズとしておすすめできるものは以下の3つです。

多機能防災ラジオ

インターネットが使えず、Webから情報を得られないときでも、ラジオを聞ければ必要な情報を得ることができるので安心です。停電中でも乾電池や内蔵電池でラジオを聞けるものを特に防災ラジオと言います。

防災ラジオには、LEDライトやサイレンなど、ラジオ以外にも災害時に役立ちそうな機能を備えた多機能なものが少なくありません。また、手回し充電やソーラー充電など複数の充電方法に対応したものや、スマートフォンなどへの給電機能を搭載したものもあります非常用持ち出し袋に1台入れておくと何かと便利です。

マルチツール

マルチツールは、手のひらサイズの本体にさまざまな機能を備えた小さな工具箱ともいえるアイテムです。防災用品として準備するのであれば、一般的なマルチツールではなく、災害時に役立つLEDライトやホイッスル、火起こし機能などを搭載したモデルをおすすめします。

ナイフだけだと被災時はあまり役に立ちませんが、缶切りやペンチ、のこぎり、ドライバー、ピンセットなどが一緒になっていれば話は別です。さらにホイッスルやLDEライトも付属していれば、コンパクトに収納できる防災用万能アイテムとして重宝することでしょう。

コンパクト救急キット

災害時のファーストエイドに役立つアイテムだけをコンパクトにまとめた救急セットです。財布くらいの大きさのポーチに絆創膏や包帯、ガーゼ、消毒液などの他に、風邪薬や頭痛薬などの飲み薬、ハサミ、LEDライト、ホイッスルなどの防災グッズもセットされています。多くの機能が揃っているため、非常持ち出し袋のスペースを圧迫せずに、必要なアイテムを備えられます。

3.      収納のコツと効率的な配置方法

防災グッズの配置は「分散配置」が基本です。そのうえで、見える場所に取り出しやすい形で置くことが大事です。箱を開けてみなければわからないような形でしまい込んでしまうと、いざというときに誰も取り出せません。収納場所ごとに備蓄品のリストを作り、管場所は従業員全員に周知することが大切です。

具体的な配置場所としては、個人用の防災セットは各自がすぐに持ち出せる場所に保管します。デスクの近くや個人用ロッカーの中などがよいでしょう。それぞれの部署やフロアで備蓄するものは、キャビネットの下の方に保管すると邪魔になりません。

長期保存する備蓄品や食料・飲料水は、防災倉庫や普段使わないデッドスペースに収納するとよいでしょう。食品や飲料水は消費期限がわかるように保管します。箱に入れて保管するときは、中に何が入っているか、外からでもわかるように記載しておきましょう。

4.      従業員一人ひとりが取り組む防災対策

オフィスで従業員一人ひとりが最低限取り組まなければならない防災対策は、避難経路を確認すること、個人用防災グッズを準備・保管すること、非常時の連絡体制を把握しておくことの3つです。

個人用防災グッズに入れておきたいものとしては、飲料水、食料、衛生用品、懐中電灯、ラジオ、簡易トイレ、モバイルバッテリー、防寒具などがあります。1つにまとめてデスク周りの取り出しやすい場所に保管するようにしましょう。

5.      コンパクトグッズを活用した防災訓練のアイデア

被災時に重宝するコンパクトグッズにはラップや新聞紙、ビニール袋、ペットボトル、段ボールなどがあります。これら身近なコンパクトグッズを活用して、災害時に役立つグッズ作りをするといえば、興味を持って訓練に参加してくれる人が増えるかもしれません。

例えば、新聞紙をうまく折りたたんだり、段ボールと組み合わせたりすれば、食器を作ることができます。また、新聞紙は小さくちぎって段ボールに入れ、ゴミ袋サイズの大きなビニール袋をかぶせれば簡易トイレとして使用することも可能です。

また、防災グッズとして非常持ち出し袋に入れている懐中電灯とペットボトルを組み合わせると、広い範囲を照らすことができるランタンも作れます。ビニール袋と新聞紙を組み合わせた防寒着や防寒シート作りも覚えておくと災害時に役立つでしょう。

コンパクトグッズの中でも特に用途が広いのがラップです。防災訓練では傷の応急処置をするときの使い方を覚えておくとよいでしょう。包帯や三角巾の代わりになるだけでなく、骨折箇所の固定にも使えます。

6.      まとめ:小さなスペースで大きな安心を

小規模オフィスでは、人員や資金だけでなく、防災グッズの保管スペースにも制約があります。それでも、社員の命を守るためには、防災備蓄を怠るわけにはいきません。小さいスペースでも十分な備えをするためには、準備するグッズを吟味する必要があります。コンパクトなボディに多くの機能を搭載した防災グッズがあるので、うまく活用するようにしましょう。省スペースでも大きな安心を手に入れられます。