家庭の防災習慣をオフィスに:日常的な防災意識向上法

この記事は、地域密着で100年以上、ガスやリフォームに関することなら何でもお任せの富士酸素工業株式会社が監修するくらしのお役立ち情報です。

オフィスでの防災対策は、従業員の安全確保と事業継続の両面においてとても重要です。災害時に人的被害も物的被害も最小限に抑え、迅速に事業を再開させるためには、日頃からの備えが欠かせません。そこで、今回は、多くの人が日常的に行っている家庭での防災習慣や防災意識を、オフィス防災に活かす方法について解説します。

1. 家庭の防災習慣とは

家庭の防災習慣とは、日常生活に防災対策を取り入れ、災害時でも家族が安全に過ごせるように備えを習慣化することを言います。具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ハザードマップを確認し、自宅周辺の災害リスクを把握したうえで、家族全員で情報を共有する。
  • 災害時の避難場所や避難経路を確認し、家族が実際に移動できるか試してみる。
  • 家の中で災害時に転倒する恐れがある家具や家電があれば固定する。
  • 災害時に高所から落下する恐れがある物は、場所を移したり撤去したりする。
  • 3日〜1週間分の食料や飲料水を備蓄し、定期的に消費期限の点検と入れ替えをする。
  • 避難に必要な物を非常持ち出し袋にまとめ、定期的に中身の点検・入れ替えをする。
  • 災害時の役割分担や安否確認の方法を決めておく。
  • 地域の防災訓練に参加して防災知識を身に付ける。

2. オフィスで実践できる日常的な防災活動

オフィスでも、家庭と同様、日常生活の中に防災活動を取り入れることが可能です。家庭で行っていることを、オフィスに置き換えるなら、オフィス家具やOA機器の固定、食料や飲料水の備蓄・点検、避難経路の確認などになります。このような防災活動は、一部の人だけが知っていても意味がありません。特に、集めた防災情報や安否確認の方法などについては、全体への周知が不可欠です。 定期的に避難訓練を実施し、従業員が災害発生時に適切に行動できるようにしておきましょう。

また、オフィス内を整理整頓することも、防災においてとても重要です。避難の妨げになるような物は、日頃から通路や出入り口付近に置かないことを徹底しましょう。オフィス家具の上に落下すると危険なものは置かないようにすることも、防災になります。食料や飲料水などは、オフィスでも最低3日分は確保が必要です。安全かつ取り出しやすい場所に保管しましょう。

オフィスならではの防災対策と言えるのは、重要なデータやシステムをマメにバックアップすることや、BCPを策定し、災害後も速やかに事業を継続できる体制を整えておくことくらいかもしれません。安否確認の方法や連絡手段に関しては、家庭よりも人数が多くなるので、複数の方法を用意し、連絡網なども作成しておいた方がよいでしょう。


3. 従業員参加を促す工夫とインセンティブ

企業がいくら従業員の安全を守るために防災活動を行っていても、従業員が活動に参加していなければ、その安全を守ることはできません。いくら素晴らしい計画をし、十分な備蓄をしていても、災害時に使えなければ意味がないのです。従業員に積極的にかかわってもらえるように工夫をしましょう。

例えば、インセンティブを設けるというのも1つの方法です。インセンティブは従業員が防災活動に参加する動機付けになります。点検や備蓄品の入れ替えなども含め、各取り組みにポイントを付け、一定のポイントをクリアしたら何かもらえるということにしたら、参加者が増えるかもしれません。個々の非常持ち出し袋の中身や工夫したポイントを発表し合い、投票で上位だった人を表彰するというやり方もありでしょう。ただし、インセンティブを成功させるためには、明確な基準設定や透明性の高い運用が必須です。

4. 定期的な防災ミーティング実施方法

定期的に防災ミーティングを開催することは、参加者の防災意識を高めるために必要です。しっかりとした知識を身に付け、最新の情報を共有することもできるため、災害発生時の被害を軽減することにもなるでしょう。

防災ミーティングは、以下のような手順で行います。

災害リスクの把握

まず、自治体が発行するハザードマップを確認し、オフィス周辺の危険箇所や避難場所、避難経路を把握します。

目標と課題の設定

地域のこれまでの災害状況や災害リスクなどを踏まえて、ミーティングで解決すべき具体的な課題や達成すべき目標を定めます。

役割分担の決定

実際に災害が起きたら、誰が何を担当するか、明確な役割分担を決めます。

避難場所・経路の確認

避難場所を確認し、災害時にそこまで安全に行くための経路を複数検討します。その後、実際に下見をし、危険な箇所がないか確認することも必要です。

備蓄品のチェック:

非常持ち出し袋に入れる物や備蓄品のリストを作成し、不足なくがないか、消費期限内であるかをチェックします。チェックリストは、定期的なチェック・補充にも活用します。

安全対策の実施

オフィス内の家具やOA機器の転倒・落下防止対策について具体的に話し合い、必要に応じて配置換えや固定を検討、実施します。

訓練の実施

ミーティングで決めた内容に基づき、防災訓練を行います。避難訓練だけでなく、消火器の使い方や安否確認システムの使い方に関する訓練も必要です。

振り返りと情報更新

訓練を実施したら、うまくいった点だけでなく課題についても振り返り、今後の対策に活かすようにします。防災用品や避難関連の情報などは日々更新されるため、最新の情報をオフィス全体で共有することも大切です。

5. 成功事例と効果測定

防災活動の成功事例の1つに、防災訓練のイベント化があります。社内イベントの1つとして防災訓練を実施したことにより、参加率だけでなく満足度も大幅に高まりました。Googleスプレッドシートなどを用いて進捗状況や成果を可視化し、社内で共有できるようにしたことも成功に結び付いたと考えられます。

訓練後には、参加者へアンケートを実施し、満足度や改善点などを把握し、その後の活動に活かすことが大切です。参加率、満足度、避難ルートの正答率などそれぞれに「KPI」を設定し、データに基づく分析によって効果を客観的に判断します。

6. まとめ:日常から備えが非常時を救う

企業には従業員の安全を守る義務があり、防災対策は社会的な責任を果たすための重要な取り組みです。従業員の安全配慮義務を果たし、確実に事業を継続させるためにも、災害への備えは日頃からしっかり行っておきましょう。