防災用品の賢い購入:家庭用品まとめ買いでコスト削減

地震大国として名高い日本。近年は気候変動の影響で、自然災害のリスクも高まっています。災害が発生したら、帰宅困難者が発生したり、事業継続のための作業が必要になったりするかもしれません。企業でも従業員が3日程度は過ごせるように、防災用品の備蓄が必要です。そこで、コストをできるだけ抑えて防災用品を購入するためのポイントについて解説します。

1. 企業における防災用品購入課題とは?

企業が防災用品を購入する際に直面する課題には、以下のようなものがあります。

必要な量がわかりづらい

日中社外にいる従業員の多い企業では、普段オフィスにいる人数を基準に必要量を計算すると、備蓄量が大幅に不足してしまうかもしれません。また、災害時に来客がいる可能性もあります。従業員以外の人がいる可能性も計算に入れ、適切な数量を算出するのはかなり困難です。

企業規模に応じた費用や保管スペースが必要

災害への備えをするためには、当然相応の費用がかかります。従業員全員分の備蓄をするのであれば、多大な費用を予算として計上しなくてはなりません。また、購入後は、それらを保管する場所の確保も必要です。

消費期限・使用期限の管理が面倒

食料や飲料水の備蓄では消費期限を気にしなければなりません。薬品や消耗品などにも使用期限があります。長期保存可能な物を選んだとしても、期限はあるので、定期的なチェックと入れ替えが必要です。日常業務に追われる中、それらの作業や管理リストの更新を行うのは、簡単なことではありません。

異動による担当者の変更

企業では、人事異動によって管理担当者が頻繁に変わることもあり得ます。その際、きちんとした引継ぎが行われなければ、備蓄品の保管場所や数量、賞味期限などの把握ができず、その後の管理に影響を及ぼすでしょう。

拠点ごとの管理が必要で負担が大きい

支社や営業所など複数の拠点がある場合、それぞれの拠点で備蓄品を用意し、管理しなければなりません。拠点数が多いほど負担が大きくなります。

これらの課題を解決するためには、まず、パートやアルバイトも含め、正確な従業員数を把握し、正確な必要量を計算することが大切です。保管場所や管理の課題については、分散配置することである程度解消できるでしょう。異動で頻繁に管理担当者が変わるような企業では、管理をアウトソーシングするのも1つの手です。

2. 家庭用品をまとめ買いするメリットとは?

企業で備蓄するものは企業向けの物でなければならないなどという決まりはありません。家庭用品で賄えるものは、家庭用品をうまく活用しましょう。まとめ買いすると、以下のようなメリットがあります。

購入費用を抑えられる

複数個まとめて購入することで割引を受けられることが多いので、複数拠点の分もまとめて購入して、分けるようにすれば購入費用を抑えられます。安売りの日に合わせて購入すれば、更に低価格で購入することが可能です。ポイントカードを活用する場合は、ポイントアップの日に合わせてまとめ買いしましょう。還元されるポイントが増えます。

支出の管理がしやすい

何回にも分けて購入するより、まとめ買いすると、支出の管理が簡単です。購入するタイミングをある程度決めておき、計画的にまとめ買いすれば、更に支出監理がしやすくなります。

ただし、ストックするものが増えれば、それだけ収納スペースも必要です。賞味期限・消費期限や先出し、先入れの管理も煩雑になるというデメリットもありますが、メリットの方が大きいと感じることが多いでしょう。

3. 効果的な購入計画立て方ガイド

効果的な購入計画を立てるためには、手順が重要です。基本的な手順を守って繰り返すことで、効果的で効率的な管理ができます。購入計画を立てるためのステップは以下の通りです。

現状分析と目的の明確化

まずは、現状の課題について話し合い、何のために、どのようなものを、いくらでいくつ購入するかなど、目的と予算を決めましょう。これらは、購入方法なども含め、出来るだけ具体的に設定することが大事です。

具体的な目標設定

どうなれば成功と言えるのか、目標設定をします。数値化できるような目標だけでなく、「理想とする状態」のような数値化できない目標も設定可能です。

条件の具体化

購入するものの品質や数量、納期、価格、購入先など、条件を具体化します。

計画の立案と実行

設定した目標に基づき、品名、金額、数量、スケジュールなどを詳細に記載した購入計画表を作成し、策定した計画を実行します。

PDCAサイクルによる継続的な改善

計画通りに目標が達成されたか、効果を評価します。課題が見つかった場合は、その原因を分析し、改善策を検討し、実行します。

4 . 保管・メンテナンス注意点

災害備蓄品の保管とメンテナンスでは、以下のような点に注意しなければなりません。

4-1. 保管場所の選び方

備蓄品の保管場所には、温度や湿度の変化が少なく、直射日光が当たらない冷暗所が適しています。特に、食料品や飲料水は劣化を防ぐためにも、衛生管理を徹底しましょう。保管場所を決める際、物をしまっておくことを重視しがちですが、取り出して使うときのことも想定しなければなりません。災害時にすぐに取りに行ける場所に保管し、管理者が不在でも取り出せるような体制を整えておくことが大事です。

4-2. 定期的な点検と管理

備蓄品の賞味期限や使用期限は定期的にチェックしましょう。期限が迫っているものがあれば期限が近いものから使用し、計画的に入れ替えます。数量の不足や包装の破損がないかも、目視で確認が必要です。点検は、最低でも半年に1回、できれば2〜3か月に1回の頻度で実施しましょう。管理ツールを導入すれば、点検漏れを防げます。

4-3. 品質保持とメンテナンス

酸化や湿気の影響を抑えるためには、機密性の高い容器、真空パック、脱酸素剤、乾燥剤などの活用がおすすめです。長期間、段ボールで保管すると、害虫が発生することもあるため、保管場所の清掃もこまめに行いましょう。

4-4. 配置に関する工夫

品名や種類、賞味期限・使用期限などがすぐに確認できるように、箱の向きを工夫しましょう。中身がわかるように品名や期限を書いた紙を貼る場合は、どこに貼るかも気を付けなければなりません。箱を積んだときに見えなくなっては意味がありません。また、古いものから先出しして使えるように、新しいものは古いものの後ろに配置します。

5 . コスト削減効果を試算する際のポイント

コスト削減効果を試算する際には、実際に削減できた金額だけでなく、投資した費用も明確にする必要があります。コスト削減効果は、費用対効果で計算しなければならないからです。見えるコストだけでなく、手間やかかる時間など見えないコストも考慮しましょう。

6 . まとめ : 賢い投資が企業を守る

防災用品はいざという時にすぐに使えるように配置しなければなりません。1カ所に大量に保管するのではなく、部署ごとに分けて配置するのであれば、家庭用品が大きさや分量の面で適していることもあるでしょう。何を選んでいくら投資するか、賢い判断をすることが企業を守ることにつながります。